研究概要 |
水稲品種「金南風」及び「台中65号」のMNU受精卵処理後代系統について、完熟種子のSDS-PAGE分析、登塾種子の枝つくり酵素の活性染色分析、ならびに、得られた変異体の遺伝様式の解析、同座性検定、三染色体分析を行った。 wx,du,ae,flo-1,flo-2,su-1及びshr-2変異体は、特定のSDS-PAGEバンドの欠損や減少と密接な対応関係が認められた。これら既知の変異体に加え、RBE1に相当する82kDタンパク質を完全に欠損する粉質変異体EM557、約110kDaタンパク質が減少する粉質変異体EM4、約120kDタンパク質を欠損する心白変異体EM719を新たに得、玄米の外観とSDS-PAGEバンドの特性に基づき、それぞれfloury-3、-4、及び-5とした。なお、玄米が正常な外観を示すものには、種子貯蔵タンパク質に関する変異体を除き、特定のSDS-PAGEバンドの欠損や減少と対応関係を示す変異体は得られなかった。 活性染色の結果、aeはQEIIa活性の消失、flo-2はQEl活性の減少が確認された。EM557はQE1活性を消失し、QEIIaとQEIIb活性は正常であったことから、flo-3変異体は枝つくり酵素QEI欠損変異体であることが明からとなった。また、RBEとQEとの対応は不明であったが、SDS-PAGEとNative-PAGE分析から、RBElとQEl、RBE3とQEIIa、RBE4とQEIIbが対応することが判明した。なお、EM36を含むflo-2変異体では胚乳特異的ホスホリラーゼの活性が認められなかった。 floury-3変異体は単劣性遺伝子、flo-3に支配され、既知の変異体遺伝子とは独立で、染色体6に座乗することが明らかとなった。しかし、wx遺伝子とは連鎖関係は認められなかった。
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