• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

低水温ストレスによるイネ個体群の生長抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08456007
研究機関北海道大学

研究代表者

中世古 公男  北海道大学, 農学部, 教授 (80001452)

研究分担者 大崎 満  北海道大学, 農学部, 助教授 (60168903)
岩間 和人  北海道大学, 農学部, 助教授 (70144219)
キーワード乾物生産 / 光合成速度 / 収量 / 水稲 / 低水温ストレス / 発育日数
研究概要

異なる生育時期における低水温が水稲個体油群の生育・収量に及ぼす影響を明らかにするために,栄養生長期(以下,栄養期),生殖生長期(生殖期),登熟期の3時期を対象に圃場条件下で冷水掛け流し処理を行った。供試品種はきらら397で,処理日数は各区の発育日数に応じて20〜33日とした。処理期間中の平均水温は各時期それぞれ18,18,16°Cで,無処理区との温度差は4〜6°Cであった。出穂期までの発育日数は水温によって大きく変動し,1°Cの水温低下に対して栄養期では1.8日,生殖期では1.6日の遅延が認められた。収量は,栄養期および生殖期処理区で無処理区を有意に下回り,その減収程度は栄養期区では14%,生殖期区では92%と生育時期により大きく異なった。減収の主因は栄養期処理が穂数不足,生殖期処理では稔実および登熟歩合の低下であった。一方,登熟期処理では有意な減収は認められなかった。乾物生産はいずれの時期も処理によって抑制されたが,その程度は栄養期で大きく,収量が激減した生殖期では逆に最も小さかった。栄養期,生殖期においては葉面積が個体群生長速度を大きく支配し,純同化速度には大差が認められなかったのに対し,登熟期においては純同化速度が明らかに抑制された。栄養期,生殖期処理区の平均光合成速度は無処理区とほぼ同程度であったが,処理期間中には大きな変動が認められ,処理開始後2週間以内には気孔コンダクタンスの低下に伴い,光合成速度が抑制されたものの,2週間目以降には気孔コンダクタンスが回復するとともに葉面積当たりの葉身窒素含量が増加することによって,処理区においてむしろ高い値が得られた。一方,登熟期処理については,純同化率と同様に処理区の光合成速度が常に無処理区よりも低く推移した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 岩間 和人: "1993年の北海道水稲冷害の市町村データによる解析" 日本作物学会紀事. 65(別2). 30-31 (1996)

  • [文献書誌] 下野 裕之: "低水温が水稲「きらら397」の乾物生産と収量に及ぼす影響" 日本作物学会紀事. 66(別1). 78-79 (1997)

  • [文献書誌] 浅石 裕輝: "水稲個体群の低水温に対する生育反応の発育ステージに伴う変化" 日本作物学会紀事. 67(別1)(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 下野 裕之: "異なる生育時期における低水温が水稲個葉の光合成速度に及ぼす影響" 日本作物学会紀事. 67(別1)(印刷中). (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi