圃場容水量より低い一定の水ポテンシャルのレベルを、その装置内で維持できるミニ・ライシメーターを用いることにより、安定的な水ストレスとこれに続く再給水条件を、耐早性程度および根系形成量の組合せが異なるイネ品種に与えた。その結果、以下の成果が得られた。 水ストレス後の再給水期間において蒸散要求に対する根系から葉身にいたる組織の透水性に品種間差が認められた。また、水ストレス抵抗性の大きい品種の吸水速度は、水ストレス処理の強度にかかわらず対照品種(日本晴)に比較して2〜6倍の高い値を示し、水ストレス処理の強度が大きいほど、より高い吸引負荷において水の通導抵抗が低下することが確認された。そして、水ストレス抵抗性の大きい品種では、水ストレス下で形成された根の更新力は強く、更新された根の透過性は著しく向上し、その変化は根の形成深度に依存している可能性が示唆された。
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