研究概要 |
Caがトマト果実中にどのように転流して行くかを調べるために,^<45>CaをCaCl_2の形で,果梗,ガク,果実項部,果実赤道部などに与えたところ,果実表面に与えたCaが最も良く吸収され,果梗,ガクなどに与えたものが果実に転流するためにはかなりの時間経過が必要であることがわかった.果房基部のところでCaを果梗に与えた場合,最も多く転流するのは第1果であった.この結果は,第2の肥大開始を優先させても変わらなかった. トマトを材料として,幼苗期,第1花房開花期,第1果房肥大期,及び同収穫期に^<45>CaをCaCl_2の形で根に施与し,24時間後に収穫して器官別,部位別に分解して^5Caの分布を調査した.いずれの生育段階でもCaは下位の茎及び葉に多く存在し,生長点や果実では少なかった.特に収穫期には,果実への転流はほとんど認められなかった. トマトを材料として,幼苗期,第1花房開花期,第1果房肥大期,及び同収穫期に^<15>Nを,KNO_3,(NH_4)_2SO_4およびCO(NH_2)_2の形で根から施与し,その後定期的に植物体を採取して器官および部位別に分解して^<15>Nの体内分布を調査した.その結果,いずれの生育段階でもNO_3は葉に多く存在し,NH_4は果実に多く存在した.また,^<15>NH_2がトマト植物体でも確認されたのでCO(NH_2)_2が吸収されていることは確認されたが,NO_3やNH_4に比べるとその存在量は少なかった.このことは,KNO_3や(NH_4)_2SO_4に比べるとCO(NH_2)_2は吸収されにくいことを示している.
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