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1997 年度 実績報告書

雄半数性ハチ目昆虫の性比調節機構の解明とその利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08456027
研究機関神戸大学

研究代表者

内藤 親彦  神戸大学, 農学部, 教授 (70031226)

研究分担者 高須 啓志  神戸大学, 農学部, 助手 (50212006)
キーワード雄産性単為発生 / カブラハバチ / アカスジチュウレンジバチ / ヒラタヒメバチ / 精子競争 / 性複対立遺伝子 / 2倍体雄 / 受精率
研究概要

今年度は植食性のカブラハバチ、アカスジチュウレンジバチおよび寄生性のヒラタヒメバチの性決定または性配分機構に関する研究を行ない、以下の結果を得た。
1.カブラハバチでは多回交尾により雌比の回復がみられるが、色彩突然変異を用いた交配実験により、重交尾後の受精卵の産卵には2回目交尾雄の精子のみが使われることが明らかになった。すなわち、本種では明瞭な精子競争がみられ、雄性器の特殊化した突起構造により、雌の受精のうに貯蔵された1回目交尾雄の精子を掻きだす機構を発見した。これまで多回交尾する寄生蜂や社会性蜂類では、雄親達の精子がほぼ平等に受精に使われることが知られており、精子優先はハチ目では初めての例である。
2.アカスジチュウレンジバチの性決定機構は、同系交配による2倍体雄の出現率から、2遺伝子座性複対立因子によることが示唆された。2遺伝子座による性決定は不十分な実験結果に基づきハナバチで報告されているが、信頼できる例は本種ハバチが初めてと思われる。
3.ヒラタヒメバチの同系交配実験により、F2世代において2倍体雄が2倍体雌とほぼ同数得られ、1遺伝子座支配で性が決定されることを明らかにした。2倍体雄成虫は半数体雄と形態的にまったく区別できず、2倍体雄は生じないとされてきた従来の考えがくつがえり、性配分の実験に見直しを必要とするとともに、今後の実験に配慮の必要性を示唆した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Lee,J.M. et al.: "Egg deposition behavior in the haplodiploid sawfly Athalia rosae ruficornis Jakovlev (Hymenoptera : Symphyta : Tenthredinidae)" J. Insect Behabior. (in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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