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1996 年度 実績報告書

植物感染の特異性:宿主特異的毒素による基本的親和性決定の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08456028
研究種目

基盤研究(B)

研究機関鳥取大学

研究代表者

尾谷 浩  鳥取大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (50032305)

研究分担者 児玉 基一郎  鳥取大学, 農学部, 講師 (00183343)
中島 廣光  鳥取大学, 農学部, 助教授 (40144646)
甲元 啓介  鳥取大学, 農学部, 教授 (80032093)
キーワード宿主特異的毒素 / 葉緑体 / 細胞膜 / 毒素受容体 / AM毒素生合成遺伝子 / 環状ペプチド合成酵素遺伝子
研究概要

1.宿主特異的毒素の探索と構造決定
これまで宿主特異的毒素(HST)生成菌は、約20例近く報告されているが、今回、さらにアブラナ科植物黒すす病菌、トマト褐色輪紋病菌、セイヨウナシbrown spot病菌で新たにHST生成が明らかとなり、それぞれAB、CC、SV毒素と命名した。なお、これらHSTのうち、AB毒素はこれまでのHSTが低分子の二次代謝産物であるのとは異なり、約35Kdのタンパク質であった。
2.宿主特異的毒素作用の分子機構
AB毒素およびCC毒素の作用部位を電子顕微鏡で観察した結果、AB毒素は粗面小胞体に、CC毒素はミトコンドリアに初期変成を誘起した。また、リンゴ斑点落葉病菌のHST(AM毒素)は宿主の単離葉緑体に直接作用することが明らかとなった。次に、AM毒素と細胞膜に初期作用を示しナシ黒斑病菌のHST(AK毒素)を用いて、宿主植物における毒素結合因子の存在有無を生体分子間相互作用解析装置により解析した。その結果、リンゴの葉緑体とナシの細胞膜画分には、それぞれAMおよびAK毒素との特異的結合を示すシグナルが検出され、HST受容体の存在が示唆された。
3.宿主特異的毒素生成の分子機構
環状ペプチド構造を持つAM毒素の生合成は多機能酵素複合体である環状ペプチド合成酵素(CPS)によって触媒されると思われる。そこで、既知のCPS遺伝子の塩基配列に基づいてPCRプライマーをデザインし、AM毒素生合成遺伝子の単離を試みた。その結果、得られたPCR産物のうち310bp断片のアミノ酸配列がCPS遺伝子と高い相同性を示した。また、本断片をプローブとしたサザン解析ではAM毒素生成菌にのみシグナルが認められ、本断片とAM毒素生合成に関与するCPS遺伝子との関連が示唆された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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