研究課題/領域番号 |
08456029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山本 広基 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (30112121)
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研究分担者 |
巣山 弘介 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (70284023)
井藤 和人 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (20273922)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 農薬 / 除草剤 / スルフォニルウレア / 土壌微生物 / 生態系影響評価 |
研究概要 |
スルフォニル尿素系の水田用除草剤は、有効成分が5g/10aでその除草活性を発揮する。このような微量で殺草活性を有する薬剤の土壌微生物に対する影響についてはこれまで研究されたことがない。本研究の代表者山本らが提案した「農薬の土壌生態系影響評価のための推奨試験」に則り、水田土壌の1)乾土効果、2)硝化、3)バイオマスに及ぼす当該農薬の影響とその影響の持続性について検討した。 まず、除草剤としてベンスルフロンメチルを用い、常用量および10倍量を土壌に処理して0、1、2、4、8週後、それぞれの微生物活性に対する影響を検討したところ、乾土効果および微生物バイオマスに対する当該農薬の影響はいずれの処理量においてもほとんど認められなかった。一方、硝化活性に対しては、処理後早い時期に抑制的影響が認められたが、常用量区では4週後に、10倍量区では8週後に完全に回復した。以上のように、多くの微生物群が関与する土壌中における微生物反応は当該薬剤によって影響を受けないが、硝化作用のようにごく限られた微生物群による反応は一時的な影響を受けることが明らかとなった。 さらに当該農薬の影響を評価するにあたって必要となる、自然環境下における土壌微生物活性の変動を経時的に調査した。それぞれの微生物活性は調査時期によって変動し、慣行栽培水田と無農薬水田のいずれにおいても当該除草剤の影響を検出することは困難であった。一方、室内試験においては硝化活性に対しては処理後4週間まで抑制的な影響が認められた。きわめて微量の施用量であっても、ごく限られた微生物によって営まれる作用に対しては一時的な影響が現われ、土壌生態系に及ぼすこれらの影響の意義を明らかにすることが今後の課題である。
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