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1996 年度 実績報告書

難防除害虫に有効な天敵微生物の検索

研究課題

研究課題/領域番号 08456030
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

大庭 道夫  九州大学, 農学部, 助教授 (80038281)

研究分担者 水城 英一  福岡県工業技術センター, 主任研究員
安永 智佐  九州大学, 農学部, 助手 (20264103)
キーワードBacillus thuringiensis / 鱗翅目毒性 / 双翅目毒性 / Nosema bombysis / 微胞子虫
研究概要

(1) わが国の自然環境から分離されたBacillus thuringiensisで鱗翅目昆虫に特異的活性を示す分離菌株の中から,それぞれ異なるH血清型に属する特異な4菌株を選抜してそれらの性状を調査した。これらの4菌株の産生するparasporal inclusion(PI)は既知の鱗翅目毒性を示す菌株のPIとは異なり,円形であった。また4菌株のPIタンパク質は血清学的に近縁であったが他の既知菌株のタンパク質とはまったく関連が見られなかった。さらにこれらのN末端アミノ酸配列は同じであったが、他の既知タンパク質のそれとは異なっていた。これら4菌株の殺虫活性スペクトルは既知菌株のそれよりも狭かった。
(2) わが国から得られたB.thuringiensisの3種の双翅目衛生害虫(チカイエカ,マラリアカ,オオチョウバエ)に対するスクリーニングを行なった。その結果,それぞれの昆虫に対してのみ特異的な殺虫活性を有する菌株や,2種あるいは3種すべてに活性を示す菌株がいろいろなH血清型から見出された。とくにH血清型33に属する1菌株はオオチョウバエのみに殺虫活性を示し,またH血清型44の1菌株はとくにマラリアカ幼虫に選択的毒性を示した。これらの菌株の毒素タンパク質の性状は既知毒素のそれとは明らかに異なった。
(3) 中国から見出された微胞子虫Nosema分離株の昆虫培養細胞系での感染・増殖を検討した結果,その生活環はわが国のカイコやシロイチモジヨトウなどから分離されたNosema bombysisと同じであった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Saitoh,H.: "Larvicidal activity of Bacillus thuringiensis natural isolates,indigenous to Japan,against two nematoceran insect pests" Microbiol.Res.151・3. 263-271 (1996)

  • [文献書誌] Ohba,M.: "Identification of flagellar(H)antigenic subfactors in Bacillus thuringiensis H serotypes 10,18,and 24 isolated in Japan" Lett.Appl.Microbiol.23・5. 287-289 (1996)

  • [文献書誌] Saitoh,H.: "Toxicity of Bacillus thuringiensis strains,naturally occurring in Japan,against larval Anopheles Stephensi(Diptera:Culicidae)" Med.Vet.Entomol.(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] Wasano,N.: "A high homology in N-terminal amino acid sequences of 130-kDa δ-endotoxins between Lepidoptera-specific and Coleoptera-specific Bacillus thuringiensis strains" Lett.Appl.Microbiol.(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] Pieniazek,N.J.: "Nosema trichoplusiae is a synonym of Nosema bombysis based on the sequence of the small subunit ribosomal RNA coding region" J.Invertebr.Pathol.67・3. 316-317 (1996)

  • [文献書誌] 安永智佐: "中国産Nosema bombysisの昆虫培養細胞系における感染・増殖" 九州蚕糸. 27号. 27 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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