• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

昆虫の生殖におけるトレハロースの役割の解明とトレハラーゼ阻害剤の利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08456033
研究種目

基盤研究(B)

研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

河野 義明  国立予防衛生研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10225386)

研究分担者 仁科 正実  埼玉医科大学, 医学部・医動物学教室, 講師 (00183541)
高橋 正和  国立予防衛生研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (00109969)
キーワードトレハロース / トレハラーゼ阻害剤 / バリドキシルアミンA / ワモンゴキブリ / トノサマバッタ / 生殖 / 卵発育
研究概要

トノサマバッタ成虫にバリドキシルアミンA(VAA,50mg/虫)を注射すると筋肉を含む体組織でのトレハロース代謝が阻害され,体液中トレハロース濃度が上昇する。ワモンゴキブリでは同様な処理により飛翔が抑制されるが,バッタの場合には影響を受けない。VAA注射後,体液中脂肪濃度の上昇し,これが飛翔エネルギーとして利用されるためと考えられる。これまで,バッタのトレハロースから脂肪への飛翔ヘネルギー転換は,飛翔初期のトレハロース消費による体液トレハロース濃度の低下が原因で起きるとされてきた。上の結果から,トレハロース濃度が高くても,その代謝が妨げられると脂肪濃度が高まり,飛翔筋での脂肪代謝が始動することが明らかになり,これまでの考え方を修正する必要が生じた。
一方,VAAの生殖に対する抑制作用はトノサマバッタ,ワモンゴキブリ両種で観察され,1回の投与によって影響が長期間持続した。ワモンゴキブリでは,VAA注射後1週間以内に産まれる卵鞘の着色,硬化が不完全になり,そこからはほとんど幼虫が孵化しない。その後は,卵巣の卵の発育が抑制され,卵鞘も産まれなくなる。この間,卵巣のトレハラーゼ活性は,筋肉等他の組織のものと同様に強く阻害されている。ゴキブリ類ではクロゴキブリ,チャバネゴキブリにおいても,VAAの生殖に及ぼす影響を調べた。両種とも,VAA投与により体液トレハロース濃度が顕著(数倍)に上昇し,各組織のトレハラーゼが阻害されることは明らかである。クロゴキブリでは,ワモンゴキブリと同様に卵鞘形成不全,卵発育抑制が観察されたが,チャバネゴキブリでは,影響がそれほど顕著ではなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 河野義明: "トレハラーゼ阻害剤の害虫制御への利用" 植物防疫. 50(12). 516-520 (1996)

  • [文献書誌] Y.Kono et al.: "Effect of a trehalase inhibitor,validoxylamineA,on oocyte development and ootheca for mation in Periplaneta americana." Applied Entomology and Zoology. 32(2)(in press). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi