研究課題/領域番号 |
08456040
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 重方 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023450)
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研究分担者 |
江沢 辰広 名古屋大学, 農学部, 助手 (40273213)
田代 亨 三重大学, 生物資源学部, 教授 (00109315)
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キーワード | ダイズ / 根粒着生 / 窒素固定 / アセチレン還元能 / 菌根菌 / 可給態リン酸 / 土場改良資材 / アブラナ科植物 |
研究概要 |
キャベツに対して施用水準を4段階とり、クロタラリア緑肥ーキャベツの1年2作体の系下で3年栽培した跡地土壌の特性を調査したところ、跡地土壌ではクロタラリア緑肥の導入によって土壌化学性に対する影響は微小であるが、土壌硬度、透水性などの物理性が大きく改善されること、および緑肥導入の有無にかかわらず土壌中の可給態リン酸がキャベツ対する施用水準の増加に対応して高まっていることを認めた。 前年度では、その跡地にダイズ(根粒着生ダイズと根粒非着生ダイズ)を無施肥条件下で栽培し、根粒による窒素固定能と菌根菌の二重共生関係を調べたところ、根粒着生ダイズでは根粒非着生ダイズに比べて顕著に良好な生育を示すが、菌根菌の感染率はやや低く、かつキャベツに対する施肥水準が高まるにつれて、やや低下することを認めた。また、適切な施肥水準下では緑肥の導入は菌根菌の感染に効果的であることを見い出した。 これに関連して、土壌物理性の改善が菌根菌の感染や機能発現(宿主植物の生長を指導)にどの程度影響するかを検定植物としてマリ-ゴールドを用いてポット試験を行ったところ、いずれの土壌物理性改善資材(パ-ライト、鹿沼土、バ-ミキュライト、もみがらくん炭)の施用も機能発現に対して促進的に働き、ダイズでみられた上記の現象が検証できた。 そこで、土壌改良材として、もみがらくん炭に注目し、ダイズの生育に対する施用効果をポット試験により調査した。その結果、施肥水準の低い処理区ほど施用効果が明確に現れ、根粒着生や窒素固定能が高まることを見い出した。さらに、現在、上述のダイズ栽培跡地に菌根菌非感染植物である3種のアブラナ科植物(サラダナ、コマツナ、オ-タムポエム)を導入し、菌根菌が関与しない植物の生育に対する土壌の可給態リン酸の影響を調査している。
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