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1996 年度 実績報告書

いもち病菌の病原性変異機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08456042
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

富田 房男  北海道大学, 農学部, 教授 (60217536)

キーワードいもち病菌 / Magnaporthe / Pyricularia / 病原性変異 / DNAフィンガープリンティング / 核型 / 染色体地図 / 形質転換
研究概要

1.17株のいもち病菌圃場分離株をDNAフィンガープリンティング解析を行った.プローブとしてpMG6015及びMGR586を用いた.その結果,これらの株はすべて1つの系統(clonal lineage) JBLA-K04に属することが明らかとなった.また,系統解析にはブートストラップ法を用いたが,その結果,プローブpMG6015はブートストラップ確率を高め,系統解析において有用であることが示された.解析した菌株は1976年以降に分離され,様々な病原性レースに属しており,系統内で多様なレース分化が起こったことを示した.
2.上記菌株をパルスフィールドゲル電気泳動法により解析したところ,病原性レースごとに核型の類似系が見られ,病原性レースの分化に染色体レベルでの変異が関与していることが明らかになった.
3.いもち病菌Ina168株と稔制の高いGuy11株を用いて交配実験系を確立した.両者の交配cross2107ではRFLPマーカーの分離が不均一であり,解析には適当とはいえなかった.しかし,交配後代2107-33をGuy11に戻し交配したcross5307からは,65株の交配後代が得られ,RFLPマーカーの分離も均一であった.この交配を用いて,Ina168のカスガマイシン耐性遺伝子ksr-1の近傍のRAPDマーカーによる染色体地図を作成した.
4.菌株Ina168の自然核型変異株を取得し,その変異の基本的な特徴付けを行った.この核型変異は病原性レースの変化に関与していなかったが,染色体再編成機構解析のモデルとなりうる.
5.菌株Ina168, Guy11を用いて形質転換系の確立を行った.ベクターはpCB1004を用い,プロトプラストーPEG法により,それぞれ18.3, 5.17形質転換体/μgDNAの形質転換効率が得られた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 曽根輝雄: "いもち病菌の遺伝子解析法の確立と日本菌系への応用" バイオサイエンスとインダストリー. 54. 327-332 (1996)

  • [文献書誌] 曽根輝雄: "いもち病菌の生物学的多様性" 化学と生物. 34. 676-682 (1996)

  • [文献書誌] Teruo SONE: "Identification and characterization of a karyotypic mutation in Magnaporthe grisea" Bioscience, Biotechnology and Biochemistry. 61. 81-86 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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