研究課題/領域番号 |
08456044
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 素直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011982)
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研究分担者 |
安保 充 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00272443)
吉村 悦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10130303)
大久保 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20111479)
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キーワード | DMSO呼吸 / DMSO還元酵素 / 光合成細菌 / Rhodobacter sphaeroides / dms遺伝子 |
研究概要 |
脱窒光合成細菌Rhodobacter sphearoides f.sp.denitrificansは嫌気的明条件下、dimethyl sulfoxide(DMSO)を末端電子受容体としてDMSO呼吸により生育可能である。DMS0呼吸系の末端酵素であるDMSO redutaseの塩基配列は本研究により既に決定されており、またその結晶構造も最近明らかにされた。DMS0 reductaseをコードする遺伝子dmsAの上流には、さらに2つのORFがdmsC、DmsBの順で存在し、dmsオペロンを構成していること、さらにこれらの塩基配列はE.coliのtorオペロンと非常に相同性が高いことなどを明らかにした。dmsオペロンのうち最上流に位置するdmsCはヘムc結合部位を5カ所持った分子量約45kDの膜結合型蛋白質をコードしており、その機能はDMSO reductaseへの最終電子供与体であると予想された。本菌でのDmsCの発現量は非常に少なく、単離精製が困難であると予想されたことからdmsC、dmsB、dmsAのE.coliにおける発現系の構築を行った。各種ベクターにdmsC、dmsCB、dmsCBAを挿入したところ、pBlue script SK^+に組み込んだ系ではそれぞれのタンパクが発現していることをウェスタンブロッティングにより確認した。しかしながら発現タンパクはヘムcを含んでいなかった。そこでDmsCの直接分離も行い、ヘム染色陽性で吸収スペクトルによりヘムcの吸収を持つタンパクを精製することができた。現在このDmsCを用いて電子伝達活性を検討中である。ヘムcやモリブデンコファクターを持つタンパク質を大腸菌で発現させるごとに成功した例は非常に少ないことから、本研究では金属タンパク質であるDmsCやDmsAの発現系を構築し、その生化学的機能を明らかにすることを最終的な目的とした。
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