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1997 年度 研究成果報告書概要

高度好熱菌プロテアーゼ(アクアライシンI)の好熱性ならびに好アルカリ性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08456046
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 応用微生物学・応用生物化学
研究機関東京大学

研究代表者

松沢 洋  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011966)

研究期間 (年度) 1996 – 1997
キーワードタンパク質工学 / プロテアーゼ / 耐熱性プロテアーゼ / アクアライシンI / 金属イオン / 部位特異的変異 / 改変酵素
研究概要

アクアライシンIは、カルシウム存在下での活性の最適温度は80℃(好熱性)であり、80℃で3時間置いても活性は殆ど変化しない(耐熱性)。活性の最適pHは約10(好アルカリ性)であり、4℃ではpH12以上でも長時間安定である(耐アルカリ性)。本酵素のこれら特性が、構造上いかなる性質のものかを明らかにすることを目的としている。本研究により、以下のことが明らかになった。
1.アクアライシンIの耐熱性に対する希土類金属の甲かを調べた結果、金属の電荷(2価と3価)にかかわらず、金属元素のイオン半径(0.93〜1.06 )に依存して、カルシウム(イオン半径0.98 )と同様、本酵素を安定化した。ランタンはCa2+と同等以上の効果を示した。NMRによる測定の結果、La3+のアクアライシンIとの結合定数は、Ca2+に比べて約10倍大きかったことから、この結合の安定性が耐熱性に寄与していることが分かった。
2.PCRを用いるランダム変異方により、アクアライシンIのプロテアーゼ領域をコードするDNA部分に変異を導入し、大腸菌発現計を構築した。低温活性型酵素と低pH活性型酵素を生産する組換え大腸菌クローンの分離を行ったところ、共に約1000分の1(以下)の頻度で目的とするクローンがプレート上では得られた。しかし、これら変異型と推定されるクローンからの精製酵素は、いずれも低温活性型、あるいは低pH活性型の性質を示さなかった。
3.アクアライシンIのAsn219をセリンに置換した変異型酵素N219Sでは、酵素活性の至適温度は80℃と変わらなかったが、10℃〜90℃の範囲にわたって活性は野生型酵素の2倍以上に上昇し、本研究の目的の一つである低温活性型酵素の取得に成功した。Asn219は、触媒残基の一つであるSer222の近傍に位置することから、その側鎖が触媒活性に影響を与えることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shie-Jea Lin: "Increase of the protease activity of aqualysin I,a therynophilic serine protease,by replacing Asn219 near the catalytic Ser222" Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry. 61・4. 718-719 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Shie-Jea Lin: Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 61-4. 718-719 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shie-Jea Lin: Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 61-4. 718-719 (1997)"Increase of the protease activity of aqualysin I,a thermostable serine protease, by replacing Asn219 near the catalytic residue Ser222"

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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