研究課題/領域番号 |
08456049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
塚越 規弘 名古屋大学, 農学部, 教授 (50115599)
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研究分担者 |
加藤 雅士 名古屋大学, 農学部, 助手 (70242849)
小林 哲夫 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20170334)
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キーワード | Aspergillus / タカアミラーゼA / キシラナーゼ / セルラーゼ / 転写因子 / AnCP / CCAAT / HAP複合体 |
研究概要 |
タカアミラーゼA遺伝子の転写促進因子AnCPは、大量培養した菌体から核画分を調製後、核タンパク質を抽出し、ヘパリンカラム等を使用して部分精製した。このサンプルを用いて、さらに高度に精製を試みた結果、約30kDaのタンパク質がCCAAT結合活性を有していることを明らかにすることができた。一方、オーストラリアのHynes等によりクローン化されたhapC cDNAを使用して、MalEとの融合タンパク質として大腸菌内で発現させ、HapCタンパク質を大量に調製した。このタンパク質に対するウサギ抗体を作製し、ウエスタンブロッティング解析を行った結果、上記約30kDaのタンパク質には複数のタンパク質が含まれ、複合体を形成してDNAに結合したと推測した。また、様々な解析からA.nidulansにも酵母と同様なHap複合体が存在することが示唆された。一方、A.nidulansHapC変異体には全くCCAAT結合活性を検出できなかったばかりか、この核タンパク質にHapCのMalE融合タンパク質を混合しても、結合活性を再構築できなかった。今後、これらの現象をさらに解析する予定である。 C.gracile由来のキシラナーゼ遺伝子はA.nidulans内で構成的に発現するが、5'非翻訳領域を順次欠損させると、その発現量が100倍にも増加した。現在、その理由について分子レベルで解析を行っているが、本質的には本遺伝子は構成的に発現しているため、今後はA.oryzaeに由来するキシラナーゼ遺伝子を解析する予定である。一方、A.nidulansセルラーゼについては酵素精製を試み、3種類のセルラーゼが存在することを明らかにし、そのうち最大に発現している35kDaの酵素の部分アミノ酸配列を決定し、本酵素遺伝子の部分的なクローン化に成功している。
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