研究課題/領域番号 |
08456051
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
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研究分担者 |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
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キーワード | メチロトローフ酵母 / Candida boidinii / 異種遺伝子発現系 / ペルオキシソーム / アルコールオキシダーゼ / ジヒドロキシアセトンシンターゼ / D-アミノ酸オキシダーゼ / プロモーター |
研究概要 |
メタノール資化性酵母Candida boidiniiを用いて、オキシダーゼ発現宿主の創製と抗生物質生産株の育種を行った。 1) 異種遺伝子発現系に適用する新たなプロモーターの構築 C.boidiniiのジヒドロキシアセトンシンターゼ遺伝子(DAS1)をクローニングし、その遺伝子破壊株を用いて、当該酵素がメタノール代謝に必須であることを明確にした。DAS1プロモーターを用いる発現系では、メタノールなどのC_1化合物によって顕著な誘導が、グルコースによっては誘導抑制が起こることを認めた。このDAS1プロモーターの挙動は、アルコールオキシダーゼ遺伝子(AOD1)プロモーターに類似していた。また、酵母PHO5をレポーター遺伝子として比較したところ、DAS1プロモーターは、AOD1プロモーターに匹敵する発現力を有することがわかった。 2) DAS1プロモーターを用いる発現系の構築 アルコールオキシダーゼ破壊株を宿主とし、DAS1プロモーターを組み込んだ発現ベクターを構築した。この異種遺伝子発現系では、添加したメタノールは消費されずに常に誘導基質として作用し、しかもアルコールオキシダーゼが占めるベルオキシソームの空間が発現する異種タンパク質のために保証されることから、ベルオキシソームに存在する各種のオキシダーゼ類の発現として有効であることが示された。 3) D-アミノ酸オキシダーゼを用いる物質生産系の構築 C.boidiniiのD-アミノ酸オキシダーゼをクローニングし、そのベルオキシソームへのソーティングと局在性を明らかにするとともに、セファロスポリンCの合成に有効なTrigonopsis variabilisのD-アミノ酸オキシダーゼをクローニングし、C.boidiniiでの大量発現を試みた。
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