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1996 年度 実績報告書

DNA非結合性転写制御因子によるクロマチン構造変化とその生物機能

研究課題

研究課題/領域番号 08456054
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

原島 俊  大阪大学, 工学部, 教授 (70116086)

研究分担者 向 由起夫  大阪大学, 工学部, 助手 (60252615)
西沢 正文  慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20218150)
キーワード酵母 / 転写制御 / クロマチン
研究概要

出芽酵母のSin4タンパクは、クロマチン構造の変化に関与して多様な遺伝子の基礎転写に正、または負の作用すると示唆されている。また、Rgr1およびGal11と複合体を形成し、RNAポリメラーゼホロ酵素に含まれることも示されている。sin4変異によって転写が上昇するPHO5遺伝子と、sin4変異の影響を受けないPHO84遺伝子プロモーターをモデルとして、sin4変異の影響を受けるプロモーターと受けないプロモーターの違いについて解析した。PHO84遺伝子の上流プロモーター領域を、PHO5のコアプロモーター上流に連結すると、方向依存的にsin4変異による基礎転写の上昇が抑圧された。sin4変異株を親株として、PHO84プロモーターの基礎転写が上昇する変異株(efh)を6株分離した。efh変異は、sin4変異の影響を受けない他のプロモーターの基礎転写に対しては効果を示さなかった。間接ラベル法により、野生株、sin4単独変異株、sin4efh二重変異株のPHO84プロモーター部のヌクレオゾーム構造を解析したところ、差は見られなかった。これらの結果より、個々のプロモーターの基礎転写に及ぼすsin4変異の効果には、プロモーター上流配列と、トランスに作用する因子の両者が関与すると示唆された。
sin4変異が、PHO5など多くの遺伝子の基礎転写を染色体の位置依存的に上昇させるのに対し、gal11変異は、多くの場合、遺伝子の発現低下を引き起こす。そこで、sin4 gal11二重変異株を作成したところ、sin4変異株で見られるPHO5遺伝子の基礎転写上昇表現型は見られなくなった。この結果は、GAL11遺伝子のPHO5プロモーターに対する作用が遺伝的にはSIN4遺伝子の上位にあることを示しており、また、Gal11タンパクがTFIIEと相互作用して、TFIIEをRNAポリメラーゼホロ酵素に引き寄せる作用を持つとの最近の報告とも矛盾しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yonpakdee,C,et.al.: "A Putative membrane protein,Pho88p,involved in inorganic phosphate transport in Saccharomgies cerevisoae" Molecular and General Genetics. 251. 580-590

  • [文献書誌] Oshima,Y,et.al.: "Regulation of phosphatase synthesis in Saccharomyies cerevisiae" Gene. 179. 171-177 (1996)

  • [文献書誌] 原島 俊: "真核生物遺伝子転写抑制機構の階層性と多様性,-出芽酵母の転写抑制因子 Bel2とTup1-" 蛋白質・核酸・酵素. 41. 1187-1197 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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