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1997 年度 実績報告書

DNA非結合性転写制御因子によるクロマチン構造変化とその生物機能

研究課題

研究課題/領域番号 08456054
研究機関大阪大学

研究代表者

原島 俊  大阪大学, 工学部, 教授 (70116086)

研究分担者 向 由起夫  大阪大学, 工学部, 助手 (60252615)
西沢 正文  慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20218150)
キーワード酵母 / 転写制御 / 基礎転写 / クロマチン
研究概要

真核生物における転写制御機構の研究は、発生・分化、癌化などから物質生産に至るまで幅広い分野で重要な研究課題である。真核生物遺伝子の転写活性化は、クロマチン構造の局部的な弛緩、転写活性化因子の作用によるヌクレオゾームの除去、転写活性化因子と基本転写因子の相互作用による転写開始複合体の形成の3つのステップを経て活性化されると考えられている。このうち初期のステップについては、研究が始まったばかりである。本研究では、遺伝学的、分子生物学的解析に適した出芽酵母を材料として、以前の研究からクロマチン構造変化に関わることが示唆されている Gal11、Sin4の2つのタンパク質の機能解析を通して、転写活性化におけるクロマチン構造変化の重要性とその分子メカニズムを明らかにする。本年度は、Sin4が直接にクロマチン構成因子と相互作用する可能性を検討するため、ヒストンH3、H4、および植物のヒストンH1と28%の相同性を示すHHO1遺伝子産物との相互作用を、タンパク質間相互作用を検出するtwo hybrid法により解析した。しかし、これらの3種のタンパク質との相互作用は検出できなかった。次に、昨年度までの研究で、gal11変異がsin4変異の抑圧変異となることを明らかにしていたので、Sin4とGal11の相互作用を、two hybrid法で解析した。その結果、974アミノ酸から成るSin4タンパクの149〜410アミノ酸位の領域と、1081アミノ酸からなるGal11タンパクの587〜929位の領域が相互作用することがわかった。Gal11タンパクは、基本転写因子TFIIEのα-サブユニットとβ-サブユニットと相互作用することによって、転写を活性化することが知られている。しかし、Sin4との相互作用領域は、それらの相互作用領域とは異なる領域であった。Sin4はGal11と結合して、その機能を抑制することによって、基礎転写を抑制するとのモデルを考えている。Sin4とGall1タンパクが、実際にこれらの領域で直接結合するか否かを調べるため、大腸菌で生産したそれぞれのタンパク、あるいはそれぞれの領域を用いて、in vitroでの結合を解析途上である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Donny,W.et al: "A method for fusing Chromosome in Saccharomyces cerevisiae" Journal of Fermentation and Bioengineering. 83. 125-131 (1997)

  • [文献書誌] Mukai,Y.et al: "The role of cystein residues in the homeodomain protein Matα2 in mating-type control of Saccharomyces cerevisiae" Molecular and General Genetics. 255. 166-171 (1997)

  • [文献書誌] Anamnart S.et al: "The P-OLEI gene of Pichia angusta encodas G Δ9-fatty acid desaturase and complements the oleI mutation of Saccharomyces cerevisiae" Gene. 184. 299-306 (1997)

  • [文献書誌] Magbanua,J.P.V.et al: "The trans criptional activators of the PHO regulon,Pho4p and Pho2p,interact directly with eath other and with compornents of the basal transcription machienery in Saccharomyces cerevisiae" J.Biochemistry. 121. 1182-1189 (1997)

  • [文献書誌] Fujimori,K.et al: "Isolation and characterization of mutations affecting expression of the Δ9-fatty acid desaturase gene,OLEI,in Saccharomyces cerevisiae" FEBS Letters. 413. 226-230 (1997)

  • [文献書誌] Mitsukawa,N.et al: "Overexpression of an Arabidopsis theliana high affinity phosphate transporter gene in tobacco cultured alls enhances growth under phosphate limitted conditions" Proc.Natl.Acod.Sci.94. 7098-7102 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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