研究概要 |
1)亜熱帯産バンレイシ科樹木に含まれるアセントゲニン類に関する研究抗腫瘍性バンレイシ科アセントゲニンであるgigantecinの生合成前駆体と予測される4-deoxy-gigantecinのはじめての全合成に成功した。さらに、中国産バンレイシUvaria purpureaのメタノール抽出成分を検索して新規のzeylenol誘導体の単離と構造解析を行った。 2)日本産イチイに含まれるタキサンジテルペノイド類の構造変換に関する研究 日本産イチイ針葉の主成分として分離されるタキサンジテルペノイドのタキシニンの脱アセチル化反応について検討した。Mg(OCH_3)_2による脱アセチル化ではタキシニンは9,10-位脱アセチル体を与えた。心材の主要成分タクスシンでは5,13-位脱アセチル体と9,10-位脱アセチル体を与えた。酸素パンクレアチンによる脱アセチル化でもタキニシンは9,10-位脱アセチル体を与えたが、タクスシンは脱アセチル化されなかった。Pd(Ph_3P)_4/酢酸処理では、2環性タキサンジテルペノイド9-ケト-7-脱酢酸体となったが、3環性化合物は得られなかった。さらに、タキシニンからオキセタン環を持つ4環性化合物への誘導を試みた。9,10-位脱アセチル体を9,10-イソプロピリデン誘導体に導きOsO_4酸化、メシル化とDBUを用いるオキシタン環の形成によりbaccatin型化合物への誘導に成功した。
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