研究課題/領域番号 |
08456066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 教授 (00115536)
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研究分担者 |
堀尾 文彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20165591)
内田 浩二 名古屋大学, 農学部, 助教授 (40203533)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | メーラード反応最終生成物 / バイオマーカー / 糖尿病 / メチルグリオキザ-ル / 酸化ストレス / レモンフラボノイド |
研究概要 |
糖尿病合併症の発症におけるフリーラジカルの関与について分子レベルでの解明と防御を目的として研究を進め、次のような研究実績を得ることができた。 (1)生体内メーラード反応最終生成物、Advanced Gly-cation End Products(AGE)と呼ばれる糖化タンパク質のバイオマーカーについても構造未知の物質が多く存在している。特に、申請者らは、アルギニンとシステイン、グリコースとの反応の結果生じる新しい糖尿病合併症のバイオマーカー、MRXの存在を見出すことができた。このMRXは、ヒトのみならずウサギや羊の赤血球とグリコースとの反応でも生成する全く新しいAGEと推定されたので、モデル反応で大量に調製し、各種クロマトグラフィーにより分離・精製を行い、純品でえることができた。そこで、二次元NMRをはじめ機器分析を行い、構造を明らかにすることができた。また、新しい生体内メーラード反応生成物の検索を行い、メチルグリオキザ-ルとタンパク質の縮合物をエピトープとする新しいポリクローナル抗体の作成にも成功することができた。 (2)個体レベルとして、糖尿病誘導剤のストレプトゾトシン(STZ)投与のラットを用いてフリーラジカル傷害の解析を行うと共に、遺伝症糖尿病ラットのモデルとして注目を集めているOLET-Fを最近導入することができたので、この系を用いて腎不全の原因としての腎細胞のフリーラジカル傷害が推定され、糖尿病発症の際に血液中や尿中に排出されるフリーラジカル傷害バイオマーカーの8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OH-dG)のモノノクローナル抗体利用のELISA法での定量・評価を行った結果、OLET-Fの尿中に大量の8-OH-dGと共にMRXが排泄されることを明らかにすることができた。 (3)これらの糖尿病合併症の発症の過程で起こるフリーラジカル傷害に対する防御メカニズムの解明を目的に、ゴマ種子や米、豆種子をはじめ各種香辛料中の新規なフリーラジカル捕捉因子、特に最近研究を進めつつあるレモンの抗酸化成分を対象に、糖尿病発症で最も問題とされる合併症予防の可能性についてSTZ投与の糖尿病モデルラットに対する予防効果の検討を行った。その結果、レモンの抗酸化成分、エリオシトリンに強い抗酸化的な防御効果を明らかにすることができた。
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