研究課題/領域番号 |
08456070
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
和 孝雄 北海道大学, 農学部, 教授 (20001448)
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研究分担者 |
植木 達人 信州大学, 農学部, 助教授 (90221100)
菅野 高穂 北海道大学, 農学部, 助教授 (20001430)
小鹿 勝利 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001506)
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キーワード | カラマツ林業 / 長伐期施業 / 良質大径材生産 / 森林施業体系 / 木材利用開発 / 木材流通 / 木材加工 / 木材価格形成 |
研究概要 |
カラマツの長伐期施業推進のための条件、および方策について検討するため、北海道3地域(十勝、網走、上川支庁管内)、及び長野県(東信地方)、岩手県(中・北部地方)について、地域資源の現状と動向、生産・利用の現状と動向、流通システムと価格形制のメカニズムなどに関する資料収集を行うとともに、森林所有者や森林組合、加工事業等の現状と動向に関する調査を行った。併せてカラマツ林の典型的林分について標準値を設定し、径級、樹高、枝下高、細りなどについて調査した。 調査結果の詳細については現在取りまとめ中であるが、およそ次のようなことが把握できた。 1.いずれの地域においても、今日の林業不況のもとで、依然としてカラマツ林業は厳しい状況にある。このため結果として伐採齢の高齢化が進んでいるが、良質大径材を生産するための施業体系は必ずしも確立されていない。そのなかで、北海道の十勝・上川の両地方の一部の地域において、集約な保育間伐や枝打ち等を実施した林分の登録制度を設けることにより、将来、良質材の主産地(銘柄化)を目指す動きがみられる。一方、長野県の東信地方では、長伐期化による心腐れを危惧する見方も多い。 2.カラマツ材は他樹種に比して価格が低廉である上、径級の大小による価格差がないことが大径材生産を推進する上での一つのネックとなっている。一方、流通センターの設置などによる集荷圏の拡大と自動径級選別装置の導入などにより、中・大径材処理専門工場設立の動きもあり、今後大径材の価格形成が進む可能性も出てきている。 3.良質材利用の高級商品の開発も進んでいるが、材利用の歩上がりが悪く経済的にペイしない状況となっている。このため、商品開発と併せて施業体系の確立を図ることが急務となっている。なお、平成8年度に得られた研究成果は、近々、学術誌等に公表の予定である。
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