研究概要 |
平成8年度,9年度にカラマツの長伐期施業推進のための条件,および方策について検討するため,北海道及び長野県,岩手県について地域資源の現状と動向,生産・利用の現状と動向,流通システムと価格形成のメカニズムなどに関する資料収集を行うとともに,森林所有者や森林組合,加工事業体等の現状と動向に関する調査を実施した。併せて典型的な林分について標準地を選定し,径級,樹高,枝下高,樹形級,細りなどについて調査した。 本年度は,過年度実施の調査資料をもとに問題点を整理するとともに,研究をまとめるための補足調査を行った。補足調査は,北海道,長野県,岩手県において,カラマツ林業,カラマツ材の利用・流通,経営動向等についての総合的調査を行うとともに,カラマツ林施業の様々な取組みについての実態調査,また作業功率改善を図るための機械化作業の現状と動向に関する調査を行った。これらについては現在とりまとめ中である。 カラマツ林施業は,わが国林業の展望が切り開けないという困難な経営条件のもとで厳しい状況にある。そうした中で,一部ではあるが,大径材生産や経営合理化を目指す長伐期施業への取り組みも行われている。これらの動きを単発的・一時的なもの終らせるのでなく,他樹種との組合せ等も含めて継続的・組織的な流れとして定着させていくことが求められるが,そのためには,行政の主導的役割が必要・不可欠である。
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