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1997 年度 実績報告書

天然林施業における植物の種多様性および遺伝的多様性の動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 08456075
研究機関東京大学

研究代表者

井出 雄二  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90213024)

研究分担者 木佐貫 博光  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00251421)
小島 克己  東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
山本 博一  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70174810)
梶 幹男  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00152645)
キーワードトドマツ / 遺伝的多様性 / 樹木分布様式 / 天然林 / 標高
研究概要

本年度は、トドマツの標高ごとの遺伝的違いおよび天然林内の樹木の分布様式について研究を進めた。
トドマツには標高に伴う形質や耐病性の変異が認められ、その遺伝的変異の解明を試みた。東京大学北海道演習林の標高1300m、900mおよび580mの天然林からトドマツの成木をそれぞれ約50個体選び、針葉でアイソザイム分析を行った結果、5酵素6遺伝子座において遺伝的変異が明らかにされた。集団内変異と集団間変異を明らかにするために、ヘテロ接合度の期待値Heおよび観察値Ho、近交係数FIS、遺伝子分化係数GSTと遺伝距離Dなどを求めた。商標高の集団はど遺伝的変異は減少した。FIS値は商標高ほど0に近づき、ホモ接合個体の割合が減少した。調査個体は成木なので、成長過程でのホモに対する淘汰圧が高標高地ほど高いと考えられた。GST値は0.021と低く、各集団間の分化は小さかった。D値から1300mと900mは遺伝的に全く分化しておらず、580mの集団は他の2集団とわずかに分化していた。
次に、天然林内の樹木の分布様式について大型固定試験地の資料から樹種別、径級別に解析した。現存量占有率はトドマツ、エゾマツ、シナノキ、ダケカンバ、オヒョウ、エゾイタヤ、シウリザクラ、アカエゾマツ、ハリギリ、ナナカマドの順であった。このうち上位5種で胸高断面積合計の88%を占めることがわかった。分布の集中度を示すIδを用いて分析した結果、1)中大径木に比べ小径木の方が集中分布する。2)針葉樹に比べ広葉樹の方が集中分布する。3)針葉樹では小径木の方がより集中分布するのに対して、広葉樹ではその逆である。4)優占樹種のトドマツ、エゾマツ、シナノキは他の樹種に比ベランダム分布に近いことが明らかになった。これらは各樹種の更新形態と環境適応力によるものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 本阿弥俊治ほか: "北方針葉樹天然林の林分構造-大型試験地における分布様式-." 日林論. 108. 89-90 (1997)

  • [文献書誌] 山本博一ほか: "針広混交天然林の林分構造の解析(III)択伐施業による林分構造の変化." 日林論. 108. 91-94 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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