瀬戸市上水道の配給の記録を分析した。記録は、日単位である。瀬戸市の上水は、大きく分けて自水という自己水源と県水という愛知用水による木曽川水系の水からなっている。平成4年度から平成9年度までの6年間の記録から、平成6年の渇水は、給水量が自水の低下と県水の不足の図式で示され、なかでも、渇水の後期は、自己水が降雨により増大した状況で発生していることが理解された。また、渇水後長らく上水道給水量が低い水準で推移しており、節水の習慣がその後も長く維持されていることが明らかにされた。また、地下水を水源とする原山浄水場は、渇水の影響をほとんど受けない安定した供給源であった。 自水の給水能力増強の可能性については(1)空間的には新しい自己水源の開発のため十分な余地が残されているものの、(2)廃棄物処分場や、養鶏場・養豚場との立地関係から新たな水源確保には、十分な検討が必要であることが指摘される。 瀬戸市山間部集落における水利用に関するアンケート調査を実施した。瀬戸市の上水道は、愛知用水と市営水道により、普及率は99.3%であるが、水源地帯の集落はまだ、上水道が普及していない。二つの集落、約80戸を対象にして、(1)現在の水利用の実態、(2)平成6年東海渇水の時の状態、(3)市行政に対する要望などの項目について調べた。また、木曽川源流山村の集落調査として、ダムを契機に急激な過疎化が進行した王滝村のT集落について現地聞き取り調査を行った。
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