研究分担者 |
蔵治 光一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90282566)
執印 康裕 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60221305)
芝野 博文 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00143412)
太田 猛彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134797)
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研究概要 |
本研究は、雨量、流出量が継続的に測定され、斜面の土壌水分量、斜面下端の地下水位観測が詳細に行われている東京大学千葉演習林袋山沢の南谷(1.005ha)と北谷(0.825ha)の隣接する2流域において、水質観測をおこない、1)雨水が林内雨になる過程、2)土壌に浸透した水が斜面を流下する過程、3)斜面下端に存在する地下水帯に滞留する過程、4)地下水が湧出して渓流を流下する過程のそれぞれで過程での水質変化を追跡するものである。 ・水文観測 降水量、林内雨量、樹幹流下量、流出量(南谷、北谷)、土壌水分量(流域内10地点)、地下水位(流域内約20地点)の計測を年間を通して継続した。 ・水質分析用試料採水 毎週1回、雨水、渓流水(南谷、北谷の量水地点)、飽和地下水、土壌水を採取した。また、試料採取時に、現場で電気伝導度、pH、水温を測定した。 水質分析 分析項目は、陽イオン(K^+,Na^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>)、陰イオン(Cl^-,NO_3^-,SO_4^<2->)、および風化の指標としてのSiO_2である。 本年は、雨水が流出水となる過程で森林流域が水質変化に与える影響を、"水質形成機構"の面から明らかにする前段階として、一年間の計測による各物質の物質収支が算定された。南谷と北谷の流出水はほぼ同じ水質であるが、NO_3^-濃度は両者で差が見られた。この差は、水文観測の結果と対比すると、渓流沿いの飽和地下水の存在と対応するものと考えられる。本研究は、順調に進んでいる。
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