研究課題/領域番号 |
08456081
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉川 賢 岡山大学, 農学部, 助教授 (50166922)
|
研究分担者 |
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
山本 福寿 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
|
キーワード | 耐乾性 / 水ストレス / 中国 / 生理生態学 / 光合成 / クロロフィル蛍光反応 |
研究概要 |
1.はじめに 植物への急性の乾燥ストレスは、生理活性や成長そして光合成活動に大きな影響を与える。近年、光反応やそれに関する電子伝達機構の研究に蛍光測定を用いる試みが盛んになっている。本研究では、土壌の乾燥にともなう植物の蛍光反応の変化をとおして、中国半乾燥地産の植物と日本産の同属の植物戸で種間比較を行い、光合成における耐乾燥性を明らかにする。 2.材料と方法 中国半乾燥地産のマツ科マツ属の油松、樟子松、日本産のアカマツ、クロマツ、半乾燥地産のマメ科の沙冬青、楊柴、グミ科の沙棘、キク科のヨモギ属の油蒿、日本産のヨモギを用いた。それらをそれぞれ3個体ずつジフィーポットに播種、生育された。 ポット内の土壌が10日間でpF0からpF6以上まで乾燥するように、グロースチャンバーで温度、湿度、照度を制御して乾燥ストレスを与え、植物の反応を測定した。その場合、急激な乾燥を避けるため、ポットの側面と上部をアルミホイルで覆った。蛍光測定は点灯1時間前から、消灯1時間後まで1時間から2時間おきに数回行った。 3.結果と考察 蛍光反応における各種のパラメータの土壌の乾燥にともなう変化を種間で比較したところ、光反応における特性は明らかに種によって異なっていた。その変化の仕方を比較したところ、半乾燥地の植物はほぼどの種も日本産のものよりかなり高い耐乾燥性をもつことが示唆された。マツ科の植物では、半乾燥地の2種は、日本産の同属の樹種と比べ、土壌の乾燥が進む中でも光合成活性を比較的高い状態で維持し、土壌水分の状態に敏感に反応して光り反応を調節していた。そのほかの植物も光合成活性のピークを遅らせることで厳しい乾燥条件に対応することが明らかとなった。
|