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1997 年度 実績報告書

超微細化天然繊維による新しい成膜法

研究課題

研究課題/領域番号 08456087
研究機関新潟大学

研究代表者

谷口 高桑  新潟大学, 教育学部, 教授 (20126428)

研究分担者 岡村 圭造  京都文化短期大学, 教授 (50026506)
キーワード天然繊維 / 超微細化繊維 / ミクロフィブリル化 / 成膜方法 / 生分解性膜
研究概要

天然繊維を、機械的に超微細化して得られる超微細化繊維(以下ミクロフィブリルと略記)の水けんだく液を用い、成膜する方法により、得られた膜の性能について検討した結果、以下の知見が得られた。
1.種々の天然繊維(木材パルプ、綿、キトサン、絹、コラーゲン)から得られるミクロフィブリルを単独またはブレンドした水けんだく液を用いて、成膜する均一な半透明な膜が得られた。この手法は、水を媒体として使用するので、特別な有機溶剤を必要としない成膜方法であり、成膜方法が無公害であるばかりでなく、膜自体も原料以外の不純物を含まないものが得られる、極めて特徴ある成膜方法となった。
2.ミクロフィブリルの水けんだく液の濃度を変えることにより、厚さが数μmから数10μmの単独膜および複合膜の成膜が可能となった。
3.複合膜の形態を走査型電子顕微鏡および走査プローブ顕微鏡で観察したところ、膜は数nm〜数10nmのオーダーで、均一で平滑な構造を示し、個々のミクロフィブリルの形態は観察されなかった。これは、ミクロフィブリルが強固に水素結合して膜を形成していることを示唆した。
4.種々の膜の引張特性を調べたところ、その引張強さおよび引張ヤング率の値は、いずれもその原料の該当する紙、膜または不織紙に比して、その値を大きく上回るものであった。
5.種々の膜の成分解性能を調べたところ、ミクロフィブリルからのいずれの膜も土壌中の微生物により、完全に生分解した。
6.これらの成果は、平成9年5月第46回高分子学会年次大会(東京)および平成9年6月第9回木材とパルプ化学の国際シンポジウム(カナダ)、平成9年7月IUPAC 38th Microsymposium(チェコ)、平成10年5月第47回高分子学会年次大会(京都)および平成10年6月生分解性プラスチックおよびポリマーに関する第5回国際科学ワークショップ(スウェーデン)で、それぞれ発表または発表予定(審査済み)である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takashi Taniguchi and Keizo Okamura: "New Films Peoduced by Microfibrillated Natural Fibers." Polymer International. (in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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