研究課題/領域番号 |
08456090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂井 克己 九州大学, 農学部, 教授 (30015656)
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研究分担者 |
藤田 弘毅 九州大学, 農学部, 助手 (90264100)
近藤 隆一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80091370)
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キーワード | 針葉樹 / 心材成分 / カルス / 培養細胞 / ヒノキレジノール / ヒノキチオール / アガタレジノール / エリシター |
研究概要 |
針葉樹として、ヒノキ(Chamaecyparis obutusa)、スギ(Cryptomeria japonica)およびラクウショウ(Taxiodium distichum)の枝の形成層からカルス細胞を誘導・培養して、各カルス中に心材成分の一種であるヒノキレジノールが含まれ、スギカルス中には微量のアガタレジノールも存在することを示した。ヒノキレジノール生産を制御(刺激)する因子を明らかにするために、スギおよびラクウショウのカルスにおいて、培地の糖組成ならびに窒素源、リン源およびホルモンの種類と濃度について検討したところ、これらの因子はヒノキレジノール生産量に若干の影響を及ぼしたが、材中のノルリグナンに相当する生産量は得られなかった。さらにラクウショウカルスについては、光、KHCO_3添加、ラジカルスカベンジャー添加の効果を調べ、スギカルスにおいてはエリシターおよび過酸化水素の添加を試みたが、ヒノキレジノール生産量は若干の変動するに留まった。これらの培養細胞では、継代が進むにしたがってヒノキレジノールの含量が減少する傾向が見られた。 培養細胞中でのノルリグナン生合成経路を知るために、[U-^<14>C]-フェニルアラニン、[U-^<14>C]-ケイヒ酸、[2-^<14>C]-p-クマ-ル酸を投与した結果、ヒノキレジノールへの放射活性の取り込みが確認され、これらが前駆物質であることが示された。 既にエリシターの刺激によるヒノキチオール生産が知られているCupressus lusitanicaの培養細胞を用いた[I-^3H]-ゲラニオール投与実験により、ゲラニオールがヒノキチオールの前駆物質であることを示した。また、[U-^<13>C]-グルコースを投与して得たヒノキチオールの各炭素の標識パターンからその生合成経路に関する知見を得た。
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