研究課題/領域番号 |
08456092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大谷 清隆 北海道大学, 水産学部, 教授 (40001606)
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研究分担者 |
大西 広二 北海道大学, 水産学部, 助手 (80241371)
松石 隆 北海道大学, 水産学部, 助手 (60250502)
桜井 泰憲 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30196133)
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キーワード | 亜寒帯循環 / 移行領域 / 歴史的データ解析 / 資源変動 / 気候変化 / ネクトン類 / 群集構造 |
研究概要 |
本研究は、世界でも最大の生産力を有する西部北太平洋亜寒帯循環域と移行領域を対象として、亜寒帯循環の長中期変化が生態系の主要種の資源変動に及ぼす影響を検出することを目的としている。今年度は、過去約20年間の北大練習船により蓄積された海洋環境と生物採集資料のデータベース化、解析手法の検討を行い、過去の海洋環境データ解析とその補正データの収集、および海洋環境と生物資料の継続的な収集を実施した。さらに、亜寒帯循環域に流向流速計(平成8年度当研究費にて購入)を設置した。また、研究分担者の一人(桜井)は、昨年10月にカナダ・ナナイモで開催された第4回PICES年次総会に出席し、亜寒帯海洋における国際研究プログラム「環境収容力と気候変動」の策定に参加した。 今年度は初年度でもあるため、過去のデータ整理とフィールド調査の開始に主眼を置いたが、北大練習船「おしょろ丸」による180度観測ラインにおける1979-1995年の16年間の海洋環境変化と、CPUEで標準化した調査用流網により採集したネクトン類の生物量との関係を調べ、次の結果を得た。移行領域の亜寒帯前線は北緯39-42度の間で約10年周期の南北変化を示す。ネクトン類群集は、水温・塩分の鉛直構造により、亜寒帯前線付近のアカイカ、移行領域中のシマガツオ、移行領域北側のギンサケ・シロサケ・スチールヘッド、亜寒帯フロントの北側のベニザケ・マスノスケ群集の4群に大別でき、これらは経年的な移行領域の拡大・縮小と亜寒帯前線の南北移動によって、その分布と生物量が大きく影響を受ける事が明らかとなった。
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