研究課題/領域番号 |
08456095
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 良朗 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (90280958)
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研究分担者 |
塚本 洋一 東京大学, 海洋研究所, COE研究員
大竹 二雄 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20160525)
沖山 宗雄 東京大学, 海洋研究所, 教授 (00111584)
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キーワード | シラス型変態 / 成長・生残 / 耳石日輪 / マイワシ / カタクチイワシ |
研究概要 |
資源変動に伴ってマイワシの産卵場や卵の分布密度が大きく変化することがわかり、このような変化は仔稚魚期の成育場の変化を通じて成長・生残過程を左右すると考えられた。シラス型変態魚類の対照として、明瞭な変態を行わないサンマについて仔稚魚の成長解析を行った結果、発生海域によって大きな差があることがわかった。 マイワシ稚魚耳右のカルシウムに対するストロンチウムの比と環境水温との対応を実験的に検討した。3段階の設定水温で2週間飼育した稚魚の耳石縁辺部のSr/Caは水温と負の有意な相関を示した。天然で採集した稚魚のふ化後のSr/Caを解析した結果、飼育実験で得られたSr/Caの範囲を超えて大きく変動した。天然仔稚魚のSr/Ca変動の解釈には、水温以外の要因も考慮する必要がある。 常磐・三陸沖の東経170度まで分布するカタクチイワシでは、沿岸域ほど仔稚魚の成長が速く沖合ほど遅いという地理的差異があった。三陸中部の内湾域では、水温の低い春季の方が夏季より成長が速いという季節的差異があった。このような地理的、季節的成長差は水温の変化と対応しておらず、水温以外の環境要因が成長様式を規定する主要因となっていることがわかった。
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