研究概要 |
1.本年は研究の2年度目に当たり,咋年の予備調査を基に,本調査を以下の内容で実施した。(1)評価対象の米は「きらら397」で産地を市町村単位。(2)評価生休は,北海道をカバーする道内卸売業者11社,小売業者11社で,卸売業者は面接調査,小売業者は郵送によるアンケート調査。参考として関東卸売業者3社,関西卸売業者3社を面接調査。(3)米の品質を決める要因としては,予備調査による検討から,「食味,見た目の良さ,等級,貯蔵性」を基準とした。(4)その上で,米の品質に影響する要因として,「産地の自然条件,産地(農協)の品質管理,生産農家の技術」を考慮した。(5)食味の要素として,「味(甘み・うまみ),粘り,光沢,香り,冷えた後の味」を考慮した。(6)食味に影響する要因として,「見た目の良さ,等級,仕入れ価格,産地」を考慮した。(7)食味評価は卸・小売業者による主観評価であり,業者の取り扱いが無い産地は含まれないので,評価産地は106産地(市町村)である。 2.産地の評価基準は,「米の品質,品質の年度間の安定性,ロットの大きさ,農業のサービス」である。業者によりこの基準の重要度評価が異なるので,AHP(階層化意志決定法)により評価ウエイトを求め,統一評価指標とした。 3.客観指標として,安定性評価指標(反収変動,作況変動等),等級評価指標(1等米出荷率等),気象評価指標を求めた。更に,産地と経営規模等の影響を見るために,産地間生産費格差を平均費用関数により求めた。 4.最終的な道産米の産地評価(A,B,C)は卸小売業者の総合AHP指標によるものであり,評価マップを作成した。来年度は,実態との乖離の調整と,府県業者の評価を反映させた総合評価を予定している。
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