研究課題/領域番号 |
08456107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
綱島 不二雄 山形大学, 農学部, 教授 (70089803)
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研究分担者 |
保木本 利行 山形大学, 農学部, 助手 (90261685)
角田 憲一 山形大学, 農学部, 助手 (70241726)
小沢 亙 山形大学, 農学部, 助教授 (70211141)
西澤 隆 山形大学, 農学部, 助教授 (10208176)
生井 恒雄 山形大学, 農学部, 教授 (70124609)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 環境保全型農業 / 高度畑作システム / 産地形成 / 生物的防除 / 砂丘農業 |
研究概要 |
本研究の研究成果は以下の通りである。 技術面での研究成果としては以下の3点である。(1)低農薬栽培を実現するためには、とくに問題となる土壌消毒に関して、抵抗性台木の活用、ならびにえぞ斑点病予防の点で、生物的防御の一環としてのBacillees subtiIisの使用による土壌消毒効果が顕著であり、今日的技術条件で十分に対応できる技術である。(2)“アンデス"種における「うるみ果」に関しては、接ぎ木あるいは遮光による過剰な窒素吸収と、それに伴う細胞壁架橋物質としてのカルシウム吸収阻害が要因として働いている可能性がつよい。その対策が急がれる。(3)農業生態系外への肥料成分の流出抑制に関しては、水稲栽培の事例に学び、メロン栽培においても緩効性肥料を育苗ポットに施用する方法がきわめて効果的であることが確認された。 また、経営経済的側面での研究成果としては以下の3点である。(4)近年、この地域においては、水稲反収も含めて低位比率傾向にある。この傾向打開の方向として、生産組織、個別経営間協定によるより複合的経営形態の拡充を図ることである。(5)メロン産地としてのより充実が求められる。この点では、より流通、消費傾向に着目した対応が要請される。(6)地域間に格差はあるものの、総体的には、農業専業層の高い地域であり、この地域活力を向上させる上で、農家をはじめとする各組織の新たな結合が必要とされる。 上記の研究成果をふまえて、課題として次の2点を示した。第一は、極めて高い潜在力を農家は持っているものの、より高い経営力として発現し、かつ市場対応力を高めるために女性パワーの積極的位置づけに努力する必要がある。第二は、立地条件から出荷時期の点できわめて不利であるが、この点を克服するために、(1)隣接産地との協同生産体制をより広めること、(2)初夏の味をメインに、サクランボとのジョイント販売に向けての市場開拓努力をつとめる必要がある。
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