直播栽培を大区画水田で行うための研究が必要であるとの観点から、生育に影響する因子として、田面均平精度に由来する発芽の不均一性と、播種密度に由来する生育競合の結果としての不均一性に着目し、これらの生育に与える影響を定量化することを目的とした。 平成8年度には、主に第一の目的を追究し、下記の調査・実験を行なった。 (1)各種直播方法の普及状況 ・乾田直播、湛水直播、折衷直播に大別できる直播栽培の現状を整理し、どのような条件下でどの方式が採用されたかを明らかにした。そしてそれぞれの方式を比較・検討した。 (2)発芽時の不均一性実験 ・大区画水田での直播栽培を調査し、田面の均平精度・地下水位・土壌水分量・播種方法等のデータおよび発芽状況のデータを収集した。 ・人工気象室において、土層・均平精度・地下水位・播種量・播種分布(条播・筋播・散播)・気温・日照を変化させ、さまざまな条件下での発芽状況を、繰り返し実験した。 (3)代かき後落水時の土層の堅さの実験 ・人工気象室において、均平精度を変化させ、乾燥過程の違いを明らかにした。これにより土層の堅さの違い、すなわち種子の潜りの違いが推測できる。 これらの実験により、均平精度については必要な実験を概ね終えることが出来たが、播種密度については引き続き実験が必要である。
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