研究課題/領域番号 |
08456118
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
福島 晟 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90027251)
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研究分担者 |
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (80252899)
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60227022)
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キーワード | 洪水流出解析 / 流出モデル / 水循環 / 水田流域 / 循環潅漑 / 画像処理 / 雨水浸透 / 土壌間隙 |
研究概要 |
本研究では、山陰地方の農山村主体の中山間地に視点を置いた議論を展開するため、益田農地造成域、斐伊川流域に試験流域を設定した。研究実績の概要は以下のとおりである。1.(1)長短期流出両用モデル及び定数集中型KiWSモデルを同定する際、オーダーの異なる各流出モデル定数の有効桁を設定した上で、一定の刻み幅でモデル定数を探索する手法を新たに提示した。(2)本手法を導入した流出解析プログラムの開発により、UNIXシステムによるデータ入力から流出解析及びハイドログラフ出力までの一連の解析・図形出力が可能な流出計算システムを構築することができた。2.(1)斐伊川下流域の循環潅漑水田流域において、排水河川最下流で大規模に浚渫され、水田に客入された河川底質のリンの存在形態と、河川水中の鉄分のリン浄化能の特性を明かにした。(2)傾斜ライシメータを用いた実験により、緩効性の被覆肥料を用いて施肥量を20%減量することにより、速効性肥料を標準量施用した場合よりも約13%だけ窒素流出負荷量が削減された。これにより、被膜肥料の施肥量を減少させることは、作物の収量を維持しながら窒素の汚濁負荷流出の削減に寄与しうること、及び(3)粗放な管理下にある傾斜地を畑地にした場合、リンとCOD成分の流出負荷量が大きくなる可能性が指摘された。3.(1)軟X線を用いて水田土壌、畑地土壌及び森林土壌の土壌間隙構造を透視することにより、土壌内部の構造・水移動を不飽和透水時における現象の変化と不飽和透水係数の変化から考察した。その結果、土壌からの排水は、管状孔隙とマトリックス部の境界の透水性にも左右されることを明かにした。(2)土壌間隙構造・水移動の可視化の際に、土壌の違い、造影剤の有無、サンプラーの材質の違いによる解像度の変動を検討し、可視化には造影剤を用い、ジュラルミンのサンプラーを用いることが望ましいことを指摘した。
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