研究課題/領域番号 |
08456127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 英二 九州大学, 農学部, 助教授 (00184739)
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研究分担者 |
山中 捷一郎 九州大学, 農学部, 助手 (20038251)
橋口 公一 九州大学, 農学部, 教授 (10038250)
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キーワード | 稲稈 / 静的たわみ量 / 曲げ剛性 / 同定 / 汎用形コンバイン / 加振実験 / 有限要素法 / 固有振動数 |
研究概要 |
本年度は、特に稲稈の静的たわみ特性を実験的に明らかにし、それらたわみ特性を定量的に規定しうる力学的諸量を理論解析によって同定した。 1.稲稈の静的たわみ特性と力学的諸量 稲稈の静的たわみ量をデジタルカメラとパソコンによる画像処理システムで自動計測した。本年度は、品種として、こしひかり(ジャポニカ)とIR-24(インディカ)の2種類を実験に供試した。稲稈に作用する荷重とたわみ量の関係は材料力学分野で使用されているたわみ式(近似式でたわみ量が小さい場合)の厳密解(たわみ量が大きい場合)を用いた。また、たわみ量を定量的に規定する曲げ剛性EIを数値解析により同定した。 その結果、通常の小たわみ式によるEIの同定量はたわみが増加するごとに低下し、不安定となるが、厳密解による同定値EIはたわみ量の大きさによらずほぼ一定値を示すことが明らかになった。また、本結果より、稲稈のたわみ量の推定式として厳密解を用いることが有効であることが示唆された。同定したEIの値は、稲稈の各節で異なるが、こしひかりで2.0〜2.75×10^6gmm^2、IR-24で4.5〜6.85gmm^2であった。 次ぎに、これらEIの値を用いて、稲稈のたわみ特性を有限要素解析により推定した。要素はビーム要素で構成し、各接点は稈の節点として計算を行った。その結果、たわみが小さい場合には、実測値とほぼ一致するが、たわみ量が増加すると必ずしも良い一致は見られず、モデルの再検討が必要である。 2.汎用形コンバインリールと稲稈の動特性 汎用形コンバインのリ-ル作業は、稲稈に対しては周期的な動的作用と考えられることから、稲の動特性の解明は、不可欠なものとなる。そこで、簡単な加振実験によりその特性を調べた結果、固有振動数は1Hz付近と考えられ、リ-ルの回転数がかなり低いところで、共振する可能性がある。しかし、高速化を主題にする場合は、むしろ穀粒の衝撃による損失が問題となり、次年度の課題としたい。
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