研究概要 |
(1)イチゴ画像の輪郭形状判定法の開発 任意方向からのイチゴ果実部分の形状を判定するために,イチゴ形状の輪郭線を用いて形状特徴抽出を行って階層型ニューラルネットワークによる形状判定を試みた。 イチゴ果実の輪郭線から形状特徴データセットを検出し,メンバーシップ関数によって形状特徴パターンを生成し,さらに,階層型ニューラルネットワークによるイチゴの形状ランクを判定するソフトウェアを作成した。イチゴ果実から求めた輪郭線を用いて,45度ずつ回転させて任意方向からの形状判定実験を行った結果,角度が変わっても,同一な判定を得ることができたことから,輪郭線による任意方向からの形状判定の有用性を確認した。 (2)ベルト式による選別機構の開発 開発したベルト式選別機構は選別速度の制御が容易な機構とするためにイチゴの搬送にベルトコンベアを使用したもので、イチゴは円形パン(直径7cm,厚さ2cm)に載せてベルト上を移動させ、ベルトコンベアの速度の変化で所定の選別速度を得るものである。区分けはエア-シリンダ(直径10mm,長さ100mm)で左右に引き分ける制御機構とし、ベルト幅内にA,B,Cの3種の等級に区分けができるようにした。判別プログラムは新たにニューラルネットワークによるプログラムを開発した。 (2)予冷による品質管理 イチゴの収穫後の品質を保持するため、予冷及び貯蔵法について高CO_2ガス処理による鮮度保持について検討した。予冷時に高CO_2ガス(10〜20%)処理を併用すると、硬度の増加には10時間以上予冷時間が必要であったが、高CO_2ガス処理によって一層硬度が増加することがわかった。高CO_2ガスの濃度では10%よりは20%の方が効果は大きかった。高CO_2処理を予冷及び貯蔵に用いることにより、イチゴの鮮度保持が可能であると判断した。
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