研究課題/領域番号 |
08456129
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
永田 雅輝 宮崎大学, 農学部, 教授 (80041002)
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研究分担者 |
木下 統 宮崎大学, 農学部, 助手 (50264354)
辰巳 保夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50022299)
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キーワード | イチゴ / 選別機 / 画像処理 / ポストハーベスト |
研究概要 |
イチゴの選別作業の省力化としてコンピュータ画像処理によるベルト式イチゴ選別機構の開発と機械選別による損傷防止策として予冷による果実の硬度化について研究した。 ベルト式機構は、イチゴを円形バンに載せてベルト上を移動させ、CCDカメラで果実画像を入力し、開発したニューラルネットワークによる判定プログラムで階級と等級に選別するものである。区分け機構としてはエア-シリンダを用いてベルト上でA.B.Cの3等級に区分けするものである。選別の的中率は83〜95%が得られた。一つの果実の選別時間はベルト速度の影響を受けるが、約4秒かかり、時間の短縮化を認めた。本機構はロボットを用いた1号機より簡便で汎用性があることから、今後の研究に期待する。 イチゴ果実を画像処理で判別する場合、その入力方向が問題になることから、果実方向の決定について検討した結果、重心法が最も適当であることを認めた。 果実の色選別の基礎研究として色彩の数値化を試みた結果、L*a*b*表色系色調図による数値化が最適であることが明らかになった。 イチゴは予冷中にその硬度が増加し、いわゆる「果実がしまる」と言われ、イチゴの収穫後および出荷前の予冷は欠かせないものとされている。そこで、予冷温度を1℃および5℃に貯蔵した時の硬度変化を見ると、両温度とも貯蔵8時間後までは硬度に変化はなかったが、10時間以降では1℃が5℃より硬度は大きくなった。予冷1℃におけるCO_2処理との関係では、20%CO_2のCA貯蔵、もしくは高CO_2貯蔵が品質保持上有効であることが明らかになった。予冷中のCO_2処理での硬度増加の可能性は選果、選別の際にも「オセ」、「スレ」が少なくなり、出荷後の品質劣化を減少させると考えた。このことは機械選果にも非常に有利な予冷法と考えられた。 以上の結果より、低温とCO_2処理を組み合わせて、急速にイチゴの硬度を増加させる試みをしたが、硬度増加には一定以上の低温やCO_2処理時間が必要と思われた。
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