研究概要 |
解析地域として北海道石狩平野の当別町,新篠津村の水田地帯を選定した。この地域について昨年にひき続き風速分布と気温分布の測定をして,衛星データの地表面温度と比較した。衛星データはランドサットデータとノアデータを使用し,地上の風速と気温の測定は,風速が15点,気温が10点である。風速の測定は5月下旬から9月までで,気温は6月から9月までである。これらのデータは風速については昼間の平均値,気温については1時間の平均値としてまとめた。 ランドサットデータは1997年07月26目の1シーンのデータについて,衛星から計算した地表面温度と風速の関係を調べた。その結果,風速が強くなると地表面温度が低くなる関係が得られた。また,1991年06月01の衛星データと実測の6月の平均風速と比較した。このデータも負の相関が見られたが,相関はあまり良くない。ノアデータについては13シーンを使用した。その結果,風速が強くなると地表面温度が低くなる衛星データが4シーン有り,逆が3シーン有った。これらの風速の条件や地表面温度の条件は不明であり,さらなる測定が必要である。 気温については,衛星より計算した地表面温度とは13シーン中12シーンが正の相関を示し,気温が高くなると地表面温度は高い関係を示した。一方,気温と風速は6月が負の相関,7月は相関がほとんどなく,8月・9月が正の相関を示した。これらのことから衛星データの地表面温度から風速を推定するためには,風速の強い5月〜6月に可能性があると推定できる。
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