1.植物を配置した室内の温熱環境、温熱快適性を予測するモデルを作成した。観葉植物の種類ごとにシミュレーションを行い、実測値と比較した。その結果、作成したモデルの妥当性が確認できた。 2.新規に購入した脳波解析システムで、観葉植物を配置した室内の居住者の心理的快適性の解析を行った。α波の出現量をβ波の出現量で割った値を、快適性の指標とした。対象としては、観葉植物を窓際に一列に配置、観葉植物を点在に配置、ロッカーや衝立などを配置、何も配置しない(対照区)の4つとした。その結果、被験者のα/β値の平均は、点在配置が最も大きく、窓際1例配置、ロッカー・衝立の順に低くなり、対照区が最も小さかった。また、閉眼時と開眼時の比較をすると、α/β値は開眼時の方が大きい。さらに、植物を配置した対象のα/β値と植物を配置しない対象のα/β値の差も、開眼時の方が大きいことから、視覚を通した効果とも考えられる。 3.上記の実験時にSD法に基づいたアンケート調査も行った。その結果、意識レベルでも、植物を配置することによる快適性が認められた。 4.植物の香りによりアメニティ効果について、脳波測定とSD法に基づいたアンケートによって解析した。その結果、植物の香りによって快適性が向上することがわかったが、その時観葉植物や切り花が見えるか、見えないかによっても差があることがわかった。 5.観葉植物および土壌のもつベンゼン除去作用の解析を行った。その結果、観葉植物の呼吸は温度(13℃、20℃、27℃)によって変化したのに対して、ベンゼン吸収量は温度に関わらずほとんど変化しなかった。土壌のCO_2放出量、ベンゼン吸収量は、鹿沼土のみよりも鹿沼土と腐葉土の混合土の方が多く、また、腐葉土の割合が大きいほどCO_2放出量、ベンゼン吸収量とも多かった。
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