グリーンアメニティの各効果に関して、下記の実験、計算を行った。 1.観葉植物が室内の温熱環境、温熱快適性に及ぼす影響を、春期と夏期の実験によって解析した。その結果、春期では、蒸散の盛んなカポックを窓際一列配置することによって、室内の相対湿度を26%も上昇させることが可能であることを明らかにした。また、夏期では、ほとんど蒸散しないマッサンギアナを室内点在配置することによって、相対湿度の上昇を3%に抑えられることを明らかにした。一方、観葉植物を配置した室内の温熱環境、温熱快適性を予測するシミュレーションモデルを、窓際一列配置の場合と室内点在配置の場合について、作成した。このモデルによって、観葉植物の種類・配置方法、窓の方位、季節、地方などが異なる場合の、室内の温熱環境、温熱快適性を予測することが可能となった。 2.生理・心理効果を、脳波の測定・解析とSD法によるアンケート調査によって解析した。その結果、「α/β値」(被験者ごとに、各対象のα波をβ波で割り、さらに、その値を基準となる対象の値で割り、相対値にしたもの)は、被験者の両側に観葉植物を配置した対象と、その他の対象(被験者の右側に植物、左側に衝立を配置など)の間では、差がみられた。アンケート調査では、植物を配置した対象は高い評価を得た。 3グリーンアメニティの総合的効果が最も大きくなるようなデザイン(部屋の使用目的・大きさ・向き、居住する人間の性別・年令、季節、地方などに基づいて、植物の品種・本数・配置方法を決定する)を支援するシステムをパソコン上で作成し、最適デザインの検討を行った。
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