研究課題/領域番号 |
08456133
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 敞敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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研究分担者 |
植村 順子 東北大学, 農学部, 教務職員 (10241556)
北澤 春樹 東北大学, 農学部, 助手 (10204885)
斎藤 忠夫 東北大学, 農学部, 助教授 (00118358)
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キーワード | Lactoacillus bulgaricus / 乳酸菌 / 多糖 / マクロファージ |
研究概要 |
Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus OLL1073R-1の生産する菌体外多糖の生物活性を調べた。多糖は分離後イオン交換クロマトグラフィーによって吸着画分(APS)と非吸着画分(NPS)に分画した。前者は0.1%のリンを含んでおり、糖鎖骨格は同じである。これらについて、マクロファージの貪食能と、細胞障害性に対する活性化の作用を調べた。 マウスの腹腔内にAPSおよびNPSを投与し、誘導されるマクロファージを採取した。対称としてチオグリコレート投与によって誘導されるマクロファージを採取した。両マクロファージの貪食能を、ビーズ取り込みによってFACS Caliburを用いて解析した。その結果、APS刺激で誘導されたマクロファージの約54%が高い貪食能を有する部分に分類され、この割合はチオグリンコレートおよびNPSで誘導されたものの約2倍であった。この結果、APSには免疫担当細胞のマクロファージを活性化される力があるものと判断された。 次に、チオグリコレートによって誘導されたマウスのマクロファージをマイクロプレート上で培養し、APSおよびNPSを添加して刺激した。これに腫瘍細胞のSarcoma-180を加えて培養し、マクロファージと接触させた。その後腫瘍細胞に取り込まれたトリチウムチミジンの量を測定し、コントロールとの差から腫瘍細胞増殖仰制率を算出した。その結果、APS刺激マクロファージの70%以上に細胞障害活性が認められ、特に100μg/mlの濃度で高い活性が認められた。NPSにも活性が認められたが、APSの1/2であった。以上の結果から、APS,NPS共にマクロファージの細胞障害活性を増強することが判明した。 これらの結果、多糖成分の中で、特にAPSが高い生物活性を持つものと考えられた。
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