研究課題/領域番号 |
08456133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 敞敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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研究分担者 |
植村 順子 東北大学, 農学部, 教務職員 (10241556)
北澤 春樹 東北大学, 農学部, 助手 (10204885)
齋藤 忠夫 東北大学, 農学部, 助教授 (00118358)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | Lactobacillus Bulgaricus / 多糖 / リンパ球幼若化 / マクロファージ / 乳酸菌 / Lymphocyte |
研究概要 |
(1)L.bulgaricus OLL1073R-1株が生産する多糖を、各種クロマトグラフィーにより、中性多糖(NPS)および酸性多糖(APS)に分画・精製した。この多糖は分子量が120万以上で、グルコースとガラクトースが1:1.3の割合で構成されており、APSは0.1%のリンを含んでいた。多糖の化学構造について解析を進めると共に、多糖が有する生物活性をマウス由来リンパ球の幼若化を指標として検討したところ、酸性多糖(APS)に脾臓およびパイエル板由来リンパ球に対する有意な幼若化活性が認められた。また、APSは、B細胞幼弱化因子であることが確認された。APSは、グルコースおよびガラクトースを構成糖とするリン酸化多糖であり、幼若化活性の発現には、リン酸基が関与していることが示唆された。 (2)L.bulgaricus OLL1073R-1株が生産する多糖のマクロファージの機能に対する作用について検討した。APSを腹腔内投与したところ、常在性マクロファージの役3倍量のマクロファージが誘導され、さらに、貪食能を有するマクロファージの誘導が増強された。一方、NPS刺激では、APSと同程度の腹腔マクロファージが誘導されたが、貪食能マクロファージの誘導は、増強されなかった。マクロファージの細胞障害性に対する作用についてin vitroで検討した結果、NPSおよびAPS共に、腹腔マクロファージを刺激し、腫瘍細胞の増殖抑制を増強することが認められた。APSの活性は、NPSの約2倍であった。以上のように、APSが、in vivoにおいて、刺激性マクロファージを誘導し、貪食能を示す活性化マクロファージの誘導を増強すること、さらに、in vitroにおいて、TG-MΦを活性化し、細胞障害性マクロファージを誘導する能力を有することが証明された。
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