研究課題/領域番号 |
08456139
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 仙吉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80114487)
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研究分担者 |
河本 薫 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 客員教授 (30011894)
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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キーワード | プロラクチン受容体 / プロラクチン受容体遺伝子 / 泌乳開始 / 分娩前のホルモン変化 / 乳腺 |
研究概要 |
泌乳開始とプロラクチン受容体遺伝子発現との関係 プロラクチンは泌乳開始ホルモンである。プロラクチン受容体に結合してホルモン作用を乳腺に伝える。プロラクチン受容体mRNAには長さの異なる2種類(ロングフォームとショートフォム)がある。ロングフォームのプロラクチン受容体が泌乳と関係する。本年度においては、泌乳開始とプロラクチン受容体遺伝子発現との関係を明らかにするため、泌乳開始時におけるプロラクチン受容体遺伝子発現を調べた。2種類のmRNAを別々にコンペティティブRT-PCRを用いて測定した。血漿中プロジェステロンとコルチコステロンはRIAにより測定した。ロングフォームのプロラクチン受容体mRNAレベルは妊娠18日午前10時までは低かったが、午後10時に3.3倍に増加し、分娩した日の午前10時には4.6倍と更に増加した。ショートフォームのプロラクチン受容体mRNAレベルはほとんど変化しなかった。プロジェステロン/コルチコステロン比は分娩前の1日で15.5倍変化した。培養した乳腺においてコルチコステロンがプロラクチン受容体mRNAを増加させた。妊娠12日に卵巣を除去したマウスにおいてもコルチコステロンは卵巣除去2時間目から8時間目まで高く維持され、その直後からブロラクチン受容体mRNAの増加が始まった。以上の事実から泌乳開始の10数時間前からプロラクチン受容体遺伝子が発現すること、その発現にはコルチコステロンが必須であることを明らかにした。
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