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1997 年度 実績報告書

卵胞顆粒層細胞の選択死を誘導する受容体分子の検索

研究課題

研究課題/領域番号 08456141
研究機関京都大学

研究代表者

宮本 元  京都大学, 農学研究科, 教授 (00026618)

研究分担者 杉本 実紀  京都大学, 農学研究科, 助手 (20243074)
眞鍋 昇  京都大学, 農学研究科, 助教授 (80243070)
キーワード顆粒層細胞 / アポトーシス / 卵胞 / カスパーゼ様プロテアーゼ / 受容体分子 / モノクロナール抗体 / 卵丘細胞 / 卵胞閉鎖
研究概要

哺乳類の卵巣においては、卵胞の発育の過程で99%以上が選択的に死滅し、ごく一部のみが排卵にいたる。この生死を決定する分子制御機構は未解明であり、これを明らかにする研究の一環として、卵胞の選択的死滅に支配的に関与している顆粒層細胞アポトーシスを制御する分子機構を調べている。顆粒層細胞表面に発現している新規な細胞死受容体分子の同定とその制御機構を解明することが、本研究の目標である。
健常と退行卵胞を容易に識別できて卵胞を構成する細胞を容易に単離できるブタ卵胞を材料とし、健常卵胞顆粒層細胞表面ににみ存在し、退行の進行とともに消失する糖鎖の結合した膜蛋白を特異的に認識するモノクロナール抗体を作成できた。この抗体を培養顆粒層細胞の培養液中に添加して共培養することで、特異的にアポトーシスを誘導できた。この抗体が認識している膜糖蛋白は、アポトーシスシグナル受容体のひとつであることが分かった。この細胞死受容体の細胞質内下流にはインターロイキンβ1転換酵素様プロテアーゼ(カスパーゼ様プロテアーゼ)がアポトーシスシグナルの伝達に支配的に関与していることが、阻害剤スペクトルから確認された。このプロテアーゼ・カスケード系を介して核内に伝達されたシグナルは、顆粒層細胞核内の中性Ca^<2+>/Mg^<2+>依存性エンドヌクレアーゼのみを活性化してゲノムDNAをヌクレオソーム単位で切断することが分かった。併行して卵胞退行に伴って顆粒層細胞に特異的に発現するmRNAを検索した結果、インスリン様成長因子と血小板由来成長因子mRNAと塩基配列相同性の高いチロシンキナーゼ様蛋白をコードするmRNAが特異的に発現していることが分かった。これらから、顆粒層細胞アポトーシスを人為的制御できる可能性があることが分かった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Apoptosis occurs in granulosa cells but not cumulus cells in the atretic antral follicles in the porcine ovaries." Journal of Reproduction and Development. 43・1. 179-180 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Apoptosis occurs in granulosa cells but not cumulus cells in the atretic graatian follicles in multiparous pig ovaries." Acta Histochemica et Cytochemica. 30・1. 85-92 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Monoclonal antibodies against pig ovarian follicular granulosa cells induce apoptotic cell death in cultured granulosa cells." The Journal of Veterinary Medical Science. 59・5. 641-649 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Involvement of Fas antigen in ovarian follicular atresia and leuteolysis." Molecular Reproduction and Development. 47・1. 11-18 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Histochemical examination of cellular carbohydrate chains which change during ovarian follicular atresia in the porcine ovary." Journal of Japan Embryo Transfer Society. 19・1. 101-110 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Retinoic acid induces malformations related to cell death in the developing mouse embryo." Journal of Reproduction and Development. 43・1. 59-64 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Advances in comparative endocrinology : A Monoclonal antibody against pig ovarian follicular granulosa cells recognizes a novel cell death receptor" Monduzzi Editore Spa.,Bologna,Italy, 1793 (1997)

  • [文献書誌] 眞鍋 昇ら: "Reproductive biology update : Regulatory mechanisms of granulosa cell apoptosis in porcine ovarian follicle atresia." Shoukadoh Pub.Co.,Kyoto,Japan., 498 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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