研究課題/領域番号 |
08456144
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡崎 克則 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90160663)
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研究分担者 |
高田 礼人 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (10292062)
喜田 宏 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10109506)
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キーワード | ウシヘルペスウイルス1 / ネコヘルペスウイルス1 / ウマヘルペスウイルス1 / 糖蛋白 / T細胞エピトープ / 抗体認識エピトープ / バキュロウイルス / ワクチン |
研究概要 |
ウシヘルペスウイルス1(BHV-1)主要糖蛋白gB、gC、gDの抗体認識エピトープとT細胞認識エピトープとの異同を調べるため、各糖蛋白に対する中和モノクローナル抗体を用いて変異体の分離を試みた。その結果、gBに対する抗体185/1でのみ、出現頻度10^<-5.5>で変異体(MV185)が選択された。モノクローナル抗体185/2は補体要求性中和抗体であったが、MV185は他の補体要求性中和抗体26/1のみならず3種の補体非要求性中和抗体9a、41cおよび118eとの反応性も欠くことがわかった。現在、MV185を牛初代精巣細胞に感染させて標的細胞とし、BHV-1感染牛の未梢白血球細胞障害活性を解析中である。また、MV185gB遺伝子の塩基配列の解析を実施している。 ネコヘルペスウイルス1(FHV-1)の主要糖蛋白gDをバキュロウイルス-昆虫細胞の系で発現させ、gDがネコ赤血球およびネコ由来培養細胞へ特異的に吸着することを示した。この成績はFHV-1の宿主域決定因子としてgDが重要な役割を果たすことを示唆する。また、FHV-1感染症に対するサブユニットワクチンとしてgDの有用性を示唆した。 ウマヘルペスウイルス1(EHV-1)をウマ以外の動物細胞で長期継代することによって、主要ウイルス吸着蛋白であるgCに変異が生じることを明らかにした。EHV-1感染症に対する弱毒生ワクチン株はいずれもウマ以外の動物細胞で長期継代して得られており、不活化ワクチン株の大部分も同様である。現行のワクチンが血中のウイルス中和抗体を誘導するにもかかわらず流産予防効果が殆ど期待できないのは、このようなワクチン株の変異が関与しているのかも知れない。
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