研究課題/領域番号 |
08457001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
藤本 豊士 群馬大学, 医学部, 教授 (50115929)
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研究分担者 |
向後 寛 群馬大学, 医学部, 助手 (20282387)
青木 武生 群馬大学, 医学部, 助手 (70150919)
萩原 治夫 群馬大学, 医学部, 講師 (80189464)
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キーワード | 細胞膜 / カベオラ / カルレティキュリン / カルシウム / 免疫電子顕微鏡法 |
研究概要 |
蛍光抗体法や凍結超薄切片を用いた金コロイド免疫電子顕微鏡法により、カルレティキュリン(CRT)に対するポリクローナル抗体が細胞膜カベオラの細胞質側表面を標識することを見出した。この標識は培養ヒト線維芽細胞やヒト卵管組織内の線維芽細胞、平滑筋細胞で観察されたが、同組織内の内皮細胞では見られなかった。培養線維芽細胞の上部を剥離して作製した基底部細胞膜標本に対して周辺性膜蛋白質を遊離させる処理を行いF-actinが完全に脱落した場合でも、抗CRT抗体による標識は残存した。またヒト線維芽細胞の急速凍結割断レプリカをSDS処理する方法でも、抗CRT抗体による標識が細胞膜P面のカベオラ付近に観察された。 我々はカベオラの限界膜にイノシトール3燐酸リセプターとカルシウムポンプが存在することを報告し、カベオラが細胞膜を介したカルシウムの流入と排出に関与している可能性を提唱してきた。CRTは小胞体内腔のカルシウム結合蛋白質として知られているが、今回の結果はカベオラのCRTが内在性膜蛋白質として存在することを示す。カベオラの直下では細胞質に比較してカルシウム濃度の変動が大きいことが予想され、その部位のカルシウム濃度が過度に上昇することを防ぐためにCRTはバッファーとして機能しているのかも知れない。カベオラにCRTが存在することは、カベオラがカルシウムのホメオスタシスに関連する構造であることをさらに支持する所見であると考えられる。
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