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1996 年度 実績報告書

肢形態形成に関与する遺伝子の発生学・実験奇形学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 08457006
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

安田 峯生  広島大学, 医学部, 教授 (50079688)

研究分担者 松井 浩二  広島大学, 医学部, 助手 (80183945)
山下 敬介  広島大学, 医学部, 講師 (40166666)
キーワード肢形態形成 / 皮膚紋理 / メロメリアマウス / トリソミ-16マウス / En遺伝子 / Wnt遺伝子 / Fg遺伝子 / Shh遺伝子
研究概要

四肢奇形ミュータント系メロメリア(meromelia、mem)マウスは、二分爪から種々の肢減形成に至る異常を生じるが、皮膚紋理を指標に手掌・足底の構造を詳細に観察したところ、背腹両側に爪床があり、腹側のパッドが消失して毛に置き換わり、浅・深指屈筋が癒合して指伸筋様になるなど、四肢腹側構造が背側化していることが明らかになった。胎齢9.5〜11.5日のメロメリアマウス胚子を材料に、インシツ・ハイブリダイゼーション法により、肢芽の形態形成に関係の深いとされるEn-1、Dlx-2、Wnt-5a、Wnt-7a、Fgf-4、Fgf-8、Shh各遺伝子の発現パターンをしらべた。その結果、本来肢芽の腹側外胚葉全体、後脳、体節で発現するEn-1の発現がメロメリアでは肢芽でのみ弱まっており、肢芽腹側に近位の境界不明瞭に限局していることがわかった。また、本来肢芽の背側外胚葉全体に発現するWnt-7aの発現は、外胚葉性頂堤(AER)を越えて腹側に広がる一方、背側では弱まっていた。さらに、通常AERで発現するFrf-8は腹側方向に広がった太い帯状に発現していたが、一部細かったり途切れたりなど、その発現形態は不整であり、AERの形態に異常が見られた。メロメリアではEn-1ノックアウトマウスと同様に肢芽の背側化が見られたが、四肢以外でのEn-1の発現は正常であり、形態的な異常もEn-1ノックアウトとは異なり、四肢に限局していた。En-1との関係を明らかにするために、現在mem遺伝子の染色体マッピングを試みている。これとは別に、トリソミ-16マウスで掌蹠の皮膚紋理に異常を見いだし、マウスにおいてもヒトと同様に染色体異常と皮膚紋理異常に関連があることが明らかになった。この点をさらに追求するために、皮膚紋理の発生過程における細胞動態と遺伝子発現を検索中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tsugane, M.他: "Detection, classitication, and description of minor limb anomalies by dermatoglyphics on volar skin of mice." Teratology. 53・2. 123 (1996)

  • [文献書誌] Yasuda, M.他: "Genes and dermatoglyphics, A mouse model." Proc. of 1st Asian Pacific Intntl. Congress of Anatomists. 66 (1996)

  • [文献書誌] Yasuda, M.他: "Color Atlas of Fetal Skeleton of the Mouse, Rat, and Rabbit" Ace Art, 125 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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