研究課題/領域番号 |
08457008
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 千葉大学 (1997) 東京大学 (1996) |
研究代表者 |
桑木 共之 千葉大学, 医学部, 講師 (80205260)
|
研究分担者 |
横森 欣司 日本赤十字医療センター, 小児外科, 部長 (20251291)
栗原 裕基 東京大学, 医学部付属病院, 助手 (20221947)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
キーワード | エンドセリン / インシュリン / ノッアウトマウス / 中枢化学感受性 / 呼吸調節 / 血圧調節 / 血管内皮細胞 / 巨大結腸症 |
研究概要 |
本研究の目的は、神経伝達調節(候補)物質の完全欠損マウスで生理機能を解析可能な新方法を開発し、これによって目的分子の生理機能の理解を深めることであった。具体的には、循環・呼吸の神経性調節に監視、出生直後に調べる方法、正常より小型のマウスでも可能な方法、延命措置により成熟を待つ方法、の3つを開発した。これを各種の遺伝子ノックアウトマウスに適用することによって、以下の結果を得た。1.出生直後に呼吸不全により死亡するエンドセリン-1(ET-1)欠損マウスについて、出産予定日に帝王切開により得た退治から延髄-脊髄標本を摘出し、in vitroで呼吸に関連したニューロン活動を電気生理学的に記録したところ、中枢化学感受性が特異的に欠落していることを発見した。2.新生児を気管切開により24時間以上生存させる方法を確立し、ET-1とEET-A受容体欠損マウスでは、低酸素および高二酸化炭素に対する呼吸反射が減弱していることを見い出した。3.ET-B受容体の完全欠損まうすは4-12週令に巨大結腸症により死亡する一方、ET-B受容体の発現が正常の約1/4に減少しているPiebald(s)マウスとET-B受容体遺伝子欠損ヘテロ接合体との掛け合わせにより、ET-B受容体の発現が正常の約1/8に減少しているs/-マウスを作成したところ、外見上は正常に成長することがわかった。このs/-マウスは約20mmHgの高血圧を呈し、その原因は、中枢神経ではなく、抹消血管の内皮細胞に存在するET-B受容体の減少に起因すると考えられた。4.ET-B受容体の完全欠損マウスを外科的に延命させるべき、マウスにおける人口肛門建設術を開発した。少なくとも野生型マウスでは、幼若期に造設した人口肛門はその後もうまく機能し、性成熟に達し、出産まで可能であることが知れた。5.インシュリン受容体substrate-1欠損マウス、および老化に関連したklotho遺伝子欠損マウスはともに、成長不全を呈するが、これらのマウスでも血圧と呼吸を測定可能にする方法を開発し、各々、高血圧、肺気腫をきたす事を証明した。
|