研究概要 |
[I]マクロファージ培養システムの確立 血管外に遊走してきたマクロファージの膜特性や生物学的特性がどのように変化しているかを評価するために,刺激物質に反応して組織間隙に遊走してきた浸出マクロファージの培養系を確立した。 [II]培養マクロファージ由来生理活性物質のリンパ管平滑筋への作用の評価 摘出したイヌ胸管より作製したバイオアッセイ標本を用いてbacterial lipopolysa charide(LPS)で活性化させたマクロファージより産生・放出される生理活性物質の特性を解析した。その結果、LPSで刺激したラットマクロファージは酸化窒素と血管拡張性プロスタグランジンを同時に放出してリンパ管平滑筋を弛緩させることが判明した。 [III]塩基性線維芽細胞増殖因子による培養イヌ胸管内皮細胞のリンパ管新生現象傷つけアッセイ法ならびにタイプIコラーゲンゲル法を用いて、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)による培養イヌ胸管内皮細胞におけるリンパ管新生現象について解析を行った。あわせてこのリンパ管新生現象に対するヘパリンの作用も検討した。その結果、bFGFはリンパ管内皮細胞の増殖と遊走を誘起し,ヘパリンはこの両反応を増強させることが判明した。またbFGFはコラーゲンゲル内で培養したリンパ管内皮細胞に管腔様構造を形成し,この管腔様構造の形成はヘパリンによって増幅されることが判明した。
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