研究課題/領域番号 |
08457028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
戸田 昇 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50025590)
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研究分担者 |
吉田 一秀 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00210683)
安屋敷 和秀 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10167968)
岡村 富夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70152337)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | NO作動性神経 / 脳動脈 / 陰茎海綿体 / コリン作動性神経 / 一酸化窒素 / サル / 蛋白リン酸化 / 舌動脈 |
研究概要 |
平成8-9年度の血管支配NO作動性神経関連の研究業績は、以下の通りである。(1)脳動脈。摘出イヌ脳動脈のNO作動性神経刺激による弛緩反応と組織サイクリックGMP増加は、カルシウム/カルモジュリン依存性蛋白リン酸化酵素阻害薬の処置によって選択的に抑制されることから、蛋白のリン酸化がNO合成酵素の活性化に関与すると推論された。サル脳動脈条片で、NO作動性神経刺激によって引き起こされる弛緩反応は、アセチルコリンとエゼリン(コリンエステラーゼ阻害薬)により抑制され、アトロピンによって増強されることから、神経より遊離されるアセチルコリンがNO作動性神経でのNOの合成ないし遊離を阻害すると結論された。NO作動性神経刺激による脳動脈拡張反応のhypoxiaによる抑制は、Na-H交換系を介する細胞内pHの変化によること、フルナリジンによる同阻害はCaの細胞内流入抑制によることを示した。Hypercapniaによる脳血管拡張の機序にNO作動性神経作用の増強が関与することを示唆した。(2)陰茎海綿体。摘出イヌ海綿体標本の神経刺激による弛緩反応はNO合成阻害薬によって消失し、L-アルギニンによって回復すること、NO合成酵素を含む神経繊維が免疫組織化学的に示されたことから、同反応へのNO作動性神経の関与が結論された。麻酔イヌの骨盤神経叢電気刺激は海綿体内圧の上昇と陰茎のerectionを引き起こし、この反応はNO合成阻害薬により抑制された。アトロピンは影響しない。これらは、NO作動性神経がerectionに必須であることを示している。(3)末梢動脈。サルとブタの眼の毛様動脈、網膜動脈とサルの舌動脈の拡張性神経は、NOを伝達物質として遊離することを明らかにした。イヌの皮膚動脈では、NOに加えてCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)が神経伝達物質としての役割を果たすことを証明した。
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