研究課題/領域番号 |
08457042
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
田辺 忠 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 部長 (60025624)
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研究分担者 |
下西 学 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (70300978)
波多江 利久 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (10251026)
井上 裕康 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (40183743)
横山 知永子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (90200914)
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キーワード | プロスタサイクリン / プロスタサイクリン合成酵素 / トロンボキサン / トロンボキサン合成酵素 / シクロオキシゲナーゼ / グルココルチコイド / 発現 |
研究概要 |
本研究では、プロスタグランジン(PG)H_2から生合成される化合物、PGI_2、トロンボキサン(TX)、PGE_2の生合成に関与する3つの酵素の構造と発現調節機構を明らかにし、これらの酵素の発現調節が、アラキドン酸からPGH_2生成に関与する2つシクロオキシゲナーゼ(COX)アイソザイムの発現とどのように相関しているかを血管、肺、腎臓、血管内皮細胞、血管平滑筋、マクロファージなどを使って明らかにすることを目的とする。本年度は次の点を明らかにした。(1)RNAブロッティングとリボプローブを用いるin situハイブリダイゼーションを用いてマウス腹腔マクロファージでのカゼインやBCGなどによる活性化に伴うPGI_2合成酵素とトロンボキサン合成酵素の発現変動を調べた結果、活性化に伴いPGI_2合成酵素の発現が減少し、TX合成酵素の発現が増加することを明らかにした(田辺)。(2)PGI_2合成酵素の生理機能を調べるため、マウス酵素の活性と中心その近傍をコードしている遺伝子をクローニグし、さらにエキソン7-9をネオマイシン耐性遺伝子で置換したES細胞を作製した。この細胞を定法に従って受精卵に導入し欠損マウスを作製し解析を行った。これまでに、ホモ個体の繁殖に特に問題は認められないが、飼育期間に依存して腎臓に形態的な変化が重症化することが明らかになった。またTX合成酵素のマウス酵素の活性と中心その近傍をコードしている遺伝子をクローニグした(横山、下西)。(3)炎症性のプロスタグランジンの生合成律速酵素であるCOX-2の発現は、ステロイド系抗炎症剤によって強く抑制される。COX-2の発現がステロイド系抗炎症剤抑制され難い培養血管内皮細胞を用いて、ヒトCOX-2遺伝子のLPSによる強い誘導の、ステロイド系抗炎症剤による抑制にグルココルチコイド受容体が重要な役割を果たしていることを見出した(井上)。(4)バキュロウイルスを使ってヒトPGI_2合成酵素酵素の大量発高発現系の確立をした(波多江)。
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